◆毎月室蘭民報に掲載されている院長が答える病気のQ&Aです。
糖尿病についての質問がメインですが、それ以外の病気についても詳しく書かれています。
気になる質問をクリックしてください。
■Q01■高脂血症検診で高脂血症といわれましたが、よくわかりません。もう少し詳しく教えてもらえませんか?
■Q14■糖尿病太っていると糖尿病になりやすいのですか?
■Q15■糖尿病糖尿病の薬が必要になるのは血糖値がどのくらいの時からですか?
■Q16■睡眠時無呼吸症候群わたしの夫は寝ている間に呼吸がしばらく止まります。大丈夫でしょうか?
■Q17■糖尿病「低血糖」とは何ですか?
■Q18■糖尿病インスリン抵抗性とは何ですか?
■Q19■糖尿病雑誌にあった「糖尿病が治る」という薬を、試したいのですが。
■Q20■糖尿病糖尿病において、お酒やタバコの影響はどうですか?
■Q21■肥満太りやすい体質とか、太りにくい体質というのはありますか。
■Q22■肥満子供の頃から太っているとやせにくいと言われますが本当ですか?
■Q23■肥満痩せたいのですが、脂肪はどのようにすれば減るでしょうか?
■Q24■肥満両親ともに肥満体型です。このままでは私も肥満になりますか?
■Q25■糖尿病糖尿病の名前の由来を教えてください
■Q26■肥満痩せるために、基礎代謝量を上げることはできますか?
■Q27■糖尿病太っていると糖尿病になりやすいのですか?
■Q28■糖尿病糖尿病患者です。旅行時の注意点を教えてください。
■Q29■老化老化を防ぐ食品はありますか?
■Q30■糖尿病ストレスも糖尿病の引き金になるのですか?
■Q31■糖尿病糖尿病になると、なぜ喉が渇くのですか?
■Q32■糖尿病糖尿病の人は太っていると思っていたのですが、やせていくこともあるのですか。
            また、なぜやせるのですか?
■Q33■糖尿病血糖が高い状態を放っておくと、失明する場合もあると聞きましたが本当ですか?
■Q34■糖尿病糖尿病で足を切断する場合があると聞きました。本当ですか?
■Q35■糖尿病糖尿病の場合、眼底検査はどれくらいの頻度ですればよいのでしょうか?
■Q36■糖尿病試験紙で測ったら尿糖が陽性と出ました。
            しかし、病院に行って検査したところ血糖値は正常と言われました。なぜですか?
■Q37■糖尿病インスリン注射をしなければならないのは、どんな状態になったときですか?
■Q38■糖尿病食後の血糖値が高いと言われました。
            生活習慣を見直したなら、糖尿病にならなくてすむのでしょうか?
■Q39■糖尿病空腹時に2〜3倍のインスリン量があると言われました。糖尿病になりにくいということでしょうか?
■Q40■糖尿病食品交換表とはどのようなものですか?
■Q41■生活習慣病最近話題のメタボリックシンドロームって何ですか?
■Q42■糖尿病カロリーを減らすために食事を1日2回にしてはいけないでしょうか?
■Q43■糖尿病糖尿病にはお酒が良くないと聞きました。なぜですか?
■Q44■糖尿病インフルエンザについて教えてください。
■Q45■糖尿病糖尿病の患者さんは現在どれくらいいるのですか?
■Q46■育毛飲む育毛剤があると聞いたのですが本当ですか?
■Q47■糖尿病ペットボトル症候群という言葉を聞きました。どのようなものなのか教えてください。
■Q48■糖尿病糖尿病ではごはんなど糖質が多いものは食べないほうがいいですか?
■Q49■糖尿病一度インスリン注射を始めたら一生止められないのですか?
■Q50■糖尿病「低インスリン食」「グリセミック・インデックス」とはどういうものですか?
■Q51■糖尿病食後の血糖値が高い「耐糖能異常」と言われました。生活習慣を見直したら、糖尿病にならなくてすむのでしょうか?
■Q52■糖尿病糖尿病性神経障害のことを教えて下さい
■Q53■糖尿病太るとなぜ糖尿病に良くないのでしょうか?
■Q54■糖尿病ストレスが糖尿病に与える影響は?
■Q55■糖尿病糖尿病で運動療法をしてはいけない時はどんな時ですか?
■Q56■糖尿病インスリン注射を打ち忘れました。どうすればいいでしょうか?
■Q57■インフルエンザインフルエンザについて教えてください。
■Q58■糖尿病糖尿病の薬を飲んでいますが他の薬の飲み合わせが心配です。
■Q59■糖尿病インスリン注射を打ち忘れました。どうすればいいでしょうか?
■Q60■糖尿病糖尿病の誘引は何ですか?
■Q61■糖尿病糖尿病で血糖値が上がる仕組みを教えてください。
■Q62■糖尿病炭水化物をエネルギーとして利用する仕組みを教えて下さい。
■Q63■糖尿病尿に糖が出ていると糖尿病なのですか?
■Q64■糖尿病薬を使い始めると糖尿病は重症なのですか?
■Q65■糖尿病ブドウ糖負荷試験について教えて下さい
■Q66■糖尿病低血糖になりやすいのはどんな時ですか?
■Q67■糖尿病低血糖にならないようにするにはどうすればいいのでしょうか?
■Q68■糖尿病外食する際の注意点を教えて下さい。
■Q69■糖尿病外食の際のコツを教えて下さい。
■Q70■糖尿病なぜ風邪や病気になると血糖値が悪化するのですか?
■Q71■糖尿病糖尿病があると尿路感染症になりやすいのですか?
■Q72■糖尿病糖尿病性腎症における食事の注意点を教えてください。
■Q73■糖尿病病院で血圧を測ると家で測るよりも高くなるのはなぜですか?
■Q74■糖尿病糖尿病で虫歯や歯周病がおきやすいのは何故ですか?
■Q75■糖尿病糖尿病は自己管理が大切な病気と聞きますが、高血圧も同じですか?
■Q76■糖尿病インスリン治療中です。食事療法で気をつけることは何でしょうか?
■Q77■糖尿病糖尿病の場合、アルコールは飲んではいけないのですか?
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■Q77■糖尿病糖尿病と痛風は併発しやすいのですか?

[ 1 ] 検診で高脂血症といわれましたが、よくわかりません。 もう少し詳しく教えてもらえませんか?
高脂血症とは、血液中に溶けている脂質の値が必要量よりも異常に多い状態をいいます。
高脂血症は血中脂質が異常に増加しても、ほとんどの場合において自覚症状がないのが特徴です。
血中脂質にはコレステロール、リン脂質、中性脂肪、遊離脂肪酸などがあります。
脂質の種類により高脂血症のタイプが決まってきます。

1)総コレステロール値が高いタイプ
2)中性脂肪値が高いタイプ
3)両方の値が高いタイプ

血中脂質が高い状態が続くと狭心症、心筋梗塞などの心臓病にかかる危険性が高くなります。
高脂血症は一般に血中の総コレステロール値が220mg/dl以上の場合を指します。
この10年間で高脂血症の割合は1.5〜2倍にも増えています。
2002/室蘭民報/6月号 

[ 2 ] 近食後の血糖値が高いことが体に悪いと聞いたのですが、本当ですか?
よくご存知ですね。
ヨーロッパで行われたDECODE studyで負荷後2時間の血糖値は年齢、性、血圧、コレステロール、空腹時血糖とは独立して全死亡ならびに心血管死亡率に関与しているという結果がでました。
日本で行なわれた舟形研究でも同様な結果がでています。
簡単に言うと、空腹時の血糖値だけでは危険を見逃してしまうかもしれないので、負荷試験や食後の血糖値も測ったほうがいいですよ、ということです。
だから食前と食後2時間の血糖値を当院では測っているのです。
2002/室蘭民報/7月号 

[ 3 ] 糖尿病の患者さんはなぜ太っている人が多いのですか?

<参考URL>

肥満は糖尿病と深く関わっています。
調査してみますと、2型糖尿病の約2/3が現在肥満であるかあるいは過去に肥満を経験しています。
実際、肥満者ではインスリンの血糖低下作用が弱まっていることがわかっています。

最近の研究から、脂肪を蓄積する細胞である脂肪細胞から、インスリンの作用を妨害する遊離脂肪酸やTNFと呼ばれる物質などが分泌されることがわかってきました。
肥満し、脂肪細胞が増え、これらの妨害物質が増えてくると、せっかく
分泌されたインスリンがうまく働くことができなくなり、血糖が上昇するようになります。
だから太った人に糖尿病が多いのです。

2002/室蘭民報/8月号 

[ 4 ] 高血圧で治療中です。 なぜ薬を飲まなければいけないのですか。
高血圧を治療する目的は、高血圧による合併症を予防することで、特に死亡を防ぐことです。
ある研究では約50,000人の対象者を二つに分け、片方のグループに血圧を下げる薬を飲んでもらい、残りのグループは薬を投与しなかった場合、薬で血圧が6〜7mmHg低下すると脳卒中による死亡を40%、心筋梗塞による死亡を16%減少させることができました。
また、あらゆる原因の死亡を合計しても、薬を服用したグループでは死亡者数が約13%減少しました。
このように、薬で少し血圧を下げることにより、死にいたる合併症を防ぐことができることが証明されています。
2002/室蘭民報/9月号 

[ 5 ] 現在、日本には糖尿病の患者さんってどれくらいいるのですか?
1997年の厚生省(現:厚生労働省)の調査では、日本の糖尿病患者数(推計)は690万人と発表されました。
これは、成人の10人に1人が糖尿病という計算にな
り、1990年の調査報告から比較すると130万人も増加しています。
また、糖尿病とまではいかないけれど健康な人より血糖値が高い、「糖尿病予備軍」も含めると1370万人にものぼると報告されています。
これほどの患者数増加の背景には「食習慣の欧米化」「交通手段の発達による運動不足」などがあるといわれています。
自分は違うと思っていても一度はきちんと調べたほうがいいですね。
2002/室蘭民報/10月号 

[ 6 ] 糖尿病とは医学的にどのような状態ですか?
食事をした後、腸から吸収されたブドウ糖は血液中から脳や筋肉などの細胞へ入り、私たちが活動するのに必要なエネルギー源となります。
細胞内にブドウ糖を取り込むのに必要なホルモンが「インスリン」です。
このインスリンの働きが悪くなったり(「インスリン抵抗性」といいます)、体内で作られなくなったり、作られても量が少なかったりして細胞内にブドウ糖をうまく取り込めなくなると、ブドウ糖は血液中にとどまり、血糖値(血液中のブドウ糖の量)が高くなってきます。
血糖値が高い状態を「高血糖」といい、これが糖尿病の状態です。
2002/室蘭民報/11月号 

[ 7 ] 糖尿病の本や雑誌によくインスリンとでてきますが何のことですか?

胃の後ろにある「すい臓」という臓器でつくられる、体の中で唯一、血糖を下げる働きをもつホルモンです。
すい臓の中でインスリンを作っている細胞は「ランゲルハンス島のβ細胞」です。
β細胞の働きが悪くなったり、何らかの理由でβ細胞が壊れてしまったりするとインスリンは減少したり、全く作られなくなったりします。
すると血糖値が下がらなくなり、糖尿病になります。
また、インスリンが十分にある場合でも「インスリン抵抗性」があると、インスリンが十分働くことが出来なくなり、やはり血糖値が上がって糖尿病になります。
2002/室蘭民報/12月号 

[ 8 ] インスリン抵抗性とはなんですか?
体の中でインスリンが働きにくくなった状態です。
インスリンには血中のブドウ糖を筋肉や肝臓などの細胞の中へ取り込ませる働きがあり、これによって血液中のブドウ糖が減る、つまり血糖が下がるのです。
しかし、インスリン抵抗性があるとインスリンが効きにくくなり、血糖を下げる働きが弱くなります。
インスリン抵抗性は2型糖尿病の発症と特に深いかかわりがあると考えられています。
初期は、すい臓のβ細胞がインスリンを大量生産して働きの弱くなった分を補おうとするのですが、だんだんβ細胞も疲れてきてインスリンの分泌量が減ってきます。
すると血糖が下がらなくなり、糖尿病が発症すると考えられています。
インスリン抵抗性の発生原因には、遺伝に加えて過食、運動不足、肥満などの悪い生活習慣が関与しているといわれています。
2003/室蘭民報/1月号 

[ 9 ] 糖尿病に1型と2型があると聞きますが、どのように違うのですか?
1型糖尿病を「インスリン依存型糖尿病」、2型糖尿病を「インスリン非依存型糖尿病」といいます。
インスリン依存状態とは、すい臓のβ細胞が何らかの理由で破壊されてしまい、インスリンをつくる機能がない、またはほとんどない状態で、インスリン注射をしなければ生きていけない状態です。
これに対しインスリン非依存状態とは、インスリンをつくる機能はあっても作られたインスリンが有効に使われず血糖が下がらない状態をいい、インスリンの分泌が低下したり、治療にインスリンを使ったりすることもありますが、インスリンを投与しなければ生きていけないということはありません。
また、徐々にすい臓のβ細胞が破壊されて最終的に1型の糖尿病になってしまう、一見2型糖尿病のように見える1型というタイプの糖尿病もあります。
日本では、1型糖尿病はごくわずかで、ほとんどの患者さんが2型糖尿病です。
生活習慣病に含まれるのは2型の糖尿病です。
2003/室蘭民報/2月号 

[ 10 ] 糖尿病の食事療法で「食べてはいけないもの」はありますか?
基本的にこれは食べてはいけないというものはありません。
しかしどの食べ物も、食べ方によっては問題になります。
また、「糖尿病の治療に食事療法を指導されたのみで薬が出なかったから私の糖尿病は軽い」と安心してはいけません。
食事療法は、糖尿病治療の基本です。
食事療法がうまくいかずに血糖コントロールが悪化すれば合併症の心配も出てきます。
薬が処方されていなくても、食事療法は「治療」の一部です。
2003/室蘭民報/3月号 

[ 11 ] 糖尿病の多い家系です。糖尿病は遺伝するのですか?
2型糖尿病の場合、親が糖尿病であれば必ず子どもも糖尿病になるとは限りませんが、家族に糖尿病の人がいない場合に比べると、糖尿病になりやすい(なる確率が高い)ことは事実です。
一方、1型糖尿病は2型糖尿病ほどは遺伝しません。
遺伝するのは糖尿病そのものではなく、「糖尿病になりやすい体質」と考えられています。
その体質を受け継いでも、必ず糖尿病になるとは限りません。
そのような体質に食べ過ぎ、運動不足、肥満、ストレスなど、いろいろな生活習慣が重なることで、糖尿病が発症すると考えられています。
糖尿病の発症に体質と生活習慣のどちらの影響が大きいか、については患者さんによって様々です。
2003/室蘭民報/4月号 

[ 12 ] 私は糖尿病ですが、「足の手入れを」と先生に言われました。 どういうことですか?
糖尿病の合併症に、糖尿病性神経障害というものがあります。
感覚神経が障害を受けると、痛みを感じにくくなります。
特に足の傷は、痛みを感じなければ発見が遅れ、手当ても遅れます。
そして傷口から雑菌が入り、化膿しますが、糖尿病の患者さんは免疫力が低下していることが多いため、感染部分が広がっていきます。
健康な人であれば痛いはずなのですが、神経がやられていると感じません。
「足の先が黒くなってきて、大きな穴もあいてきた」ということで、受診してみたら、足の先は血管が詰まって壊死してしまい、切断を余儀なくされたりすることもあります。
そうならないために、ふだん気づきにくい足の傷、靴ずれ・まめ・深爪・しもやけ・こたつやカイロによる低温やけどなどを含めて、入浴したときなどにしっかり観察しておくこと、ケガは早めに手当てをすることが重要です。
2003/室蘭民報/5月号 

[ 13 ] HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは何ですか?
血液の赤血球の中にヘモグロビンという成分があります。
ヘモグロビンがブドウ糖にさらされると徐々にくっついて「グリコヘモグロビン」になっていきます。
血中のブドウ糖が多いとグリコヘモグロビンができやすく値が高くなります。
血中のグリコヘモグロビンの濃度は、過去1〜2ヶ月間の血糖コントロール状態を示しますが、HbA1cとは、グリコヘモグロビンの中で測定のしやすい種類のことで、健康な人ではだいたい4〜5.8%(ヘモグロビン全体のうちHbA1cがどれだけ含まれるかの割合)とされています。
糖尿病の患者さんであれば8%を超えるとコントロール状態が悪いと判断されます。
2003/室蘭民報/6月号 

[ 14 ] 太っていると糖尿病になりやすいのですか?
「肥満」は糖尿病においてはただ体重が重い、という意味ではありません。
体重はそれほど重くなくても、体脂肪が多いと肥満といえます。
一般的には、体脂肪率が男性で25%、女性で30%を超えると肥満とされます。
また、最近は脂肪の率だけでなく、どこに脂肪があるかも重要とされています。
体脂肪は大きく皮下脂肪と内臓脂肪に分けられており、健康に問題があるとされるのは主に内臓脂肪です。
内臓脂肪型の肥満に糖尿病や高血圧が合併しやすいことが知られています。
日本人の糖尿病は欧米人のものと比べ、肥満は軽度なのですが、内臓に脂肪がつきやすく、インスリンの分泌が低下しやすいのが特徴といわれています。
2003/室蘭民報/7月号 

[ 15 ] 糖尿病の薬が必要になるのは血糖値がどのくらいの時からですか?
治療方針によって違いますので、「血糖値○○mg/dlから」と決定づけることは出来ませんが、はじめは食事療法・運動療法からとりくんで、十分な効果が得られない場合は薬物療法が必要です。
薬を使用する場合でも、食事療法・運動療法にきちんと取り組んでいかなければ薬の効果は十分発揮されません。また、インスリン注射を早期から取り入れてすい臓を休ませることで、すい臓の働きを取り戻すという治療法もあります。
日本糖尿病学会によると治療中の血糖目標値は、空腹時血糖値=120mg/dl以下、食後2時間血糖値=170mg/dl以下、ヘモグロビンA1c=6.5%以下、とされています。
2003/室蘭民報/8月号 

[ 16 ] わたしの夫は寝ている間に呼吸がしばらく止まります。大丈夫でしょうか?
睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
この疾患は寝ている時に呼吸が止まり、大きなイビキを繰り返す病気です。
一般の健康と思われている成人にも数多く潜在しています。
高血圧、不整脈、脳梗塞、心筋梗塞等の循環器疾患、夜間突然死との関連も指摘されています。
日中の眠気による交通事故、労働災害、学力低下など極めて重大な社会的問題を引き起こす病気です。
疑いがあるようなら、一度きちんと精密検査を受けることをお勧めます。

∴ くにもと内科循環器科には道内病院では初となる睡眠時無呼吸症候群の検査機器があります。
重さわずか[100g]と軽いだけではなく、最新の機器で従来のような症状の判断を狂わせることも殆どありません。 詳しくはこちらをご覧ください。
2003/室蘭民報/9月号 

[ 17 ] 「低血糖」とは何ですか?
インスリン療法をしている人が急に激しい運動をしたり、インスリンやSU剤の分量を必要以上に増やしすぎたり、また薬を服用してから食事をとるまでに時間がたちすぎたりすると、血糖が下がりすぎて「低血糖」という状態になることがあります。
主な症状は「強い空腹感」「冷や汗」「手足のふるえ」「どきどきする」「めまい」などです。
ひどい場合は、意識を失うこともあります。
軽い低血糖であれば、自分で糖分をとりましょう。
常にスティックシュガーや飴など(人工甘味料はだめ)を持ち歩くようにしましょう。
また、ジュース、缶コーヒーなども有効です。
2003/室蘭民報/10月号 

[ 18 ] インスリン抵抗性とは何ですか?
からだの中でインスリンが働きにくくなった状態です。
インスリンには血中のブドウ糖を筋肉や肝臓などの細胞の中へ取り込ませる働きがあり、これによって血
液中のブドウ糖が減る、つまり血糖が下がるのです。
しかし、インスリン抵抗性があるとインスリンが効きにくくなり、血糖を下げる働きが弱くなります。
インスリン抵抗性の発生原因には、遺伝に加えて過食、運動不足、肥満などの悪い生活習慣が関与しているといわれています。
2003/室蘭民報/11月号 

[ 19 ] 雑誌にあった「糖尿病が治る」という薬を、試したいのですが。
そうしたふれこみで、じつに多くの民間療法が出回っています。
しかし、それらの療法は治療効果の裏付けに乏しく、たとえ効いたとしても、効果は微々たるものです。
しかも高価で、だまされたも同然のものが少なくありません。
本当に効くなら、私たち医者がすでに治療に取り入れているはずです。
これらの民間療法を信じて治療をやめてしまい、症状を悪化させてしまうことがあるのは残念です。
民間療法に惑わされず、糖尿病と仲良く生きる気持ちをもって、本来の治療に専念してください。
2003/室蘭民報/12月号 

[ 20 ] 糖尿病において、お酒やタバコの影響はどうですか?
酒類は、病気の状態によっては飲んではいけない場合がありますので、主治医との相談が必要です。
またお酒の種類によって「日本酒はダメ、焼酎はいい」ということもありません。
酒類はそれ自体が高カロリーです。
適量でやめることが難しかったりつまみを多く食べたりするため、コントロールを悪化させることが多いです。
喫煙は血管を収縮させ,糖尿病に合併しやすい動脈硬化を悪化させますので、禁煙したほうがよいでしょう。
2004/室蘭民報/1月号 

[ 21 ] 太りやすい体質とか、太りにくい体質というのはありますか。
はい、あります。
両親が太っていたとか、子供の頃から太っていたといったような人が太りやすい体質といえます。
そういう人はそうでない人に比べてちょっと多く食べただけでも太りやすいものです。
もう一つ、基礎代謝が低下している場合も太りやすくなってしまいます。
低カロリーの食事を長く続けるとそのようになります。
そうした人でも基礎代謝を上げる運動などで太りにくい体質へと変わることができます。
2004/室蘭民報/2月号 

[ 22 ] 子供の頃から太っているとやせにくいと言われますが本当ですか?
はい。脂肪細胞はいったん増えれば減ることはほとんどありません。
とくに思春期に脂肪細胞が必要以上に増えてしまうと、肥満の大きな原因となります。
この時期に過剰栄養にならないよう注意しましょう。
肥満は脂肪細胞の数と大きさで二つのタイプがあります。
一つは「過形成性肥満」で、子供の頃から太っていた人に多く、もう一つの脂肪細胞が大きい「肥大性肥満」で中年太りに多いです。脂肪細胞の数は減りませんが、大きさは変わりますので、中年太りの方が減量しやすいといえます。
2004/室蘭民報/3月号 

[ 23 ] 痩せたいのですが、脂肪はどのようにすれば減るでしょうか?
脂肪を減らすには食事と運動の両面のコントロールが大切です。
まずは摂取カロリーを制限することが大切です。
また脂肪を摂らなければ脂肪は蓄積しないと誤解している人が多いのですが、糖分であっても摂取したエネルギーが余れば、脂肪として体内に蓄積していきます。 
次に運動ですが、脂肪は運動を始めて20分くらいたつと効率よく燃え始めます。
それには息が少しはずむくらいの、少し早めのウォーキングがおすすめです。
ウォーキングを30分〜1時間、週に1〜2回が適当と言えるでしょう。
2004/室蘭民報/4月号 

[ 24 ] 両親ともに肥満体型です。このままでは私も肥満になりますか?
肥満と遺伝の興味深いデータがあります。
両親とも肥満の場合は約7割の子供は肥満。
片方の親が肥満の場合は4割。
両親ともに非肥満では1割という結果です。
また、別のデータから片方の親が太っている場合、父親が太っているよりも母親が太っている方が、肥満になる確率は高いのです。
子供の生活習慣は圧倒的に母親からの影響を受けやすいと言えます。
つまり、栄養過多の食事を作り、必要以上に食べ運動不足の生活をしていれば、一緒に生活している子供も肥満になる確率が高くなります。
ですから逆に、環境の見直しで肥満を防ぐことも十分にできます。
2004/室蘭民報/5月号 

[ 25 ] 糖尿病の名前の由来を教えてください。
医学用語で糖尿病はDiabetes Mellitusと言います。
ギリシャ語でDiabetes(水が流れる、サイフォン)+ラテン語でMellitus(甘い)=甘い尿が溢れるようにでてくる。という意味です。
日本で糖尿病の病名が定着したのは明治後半です。
「蜜尿病」と言われていたこともありました。
日本では40年前わずか3万人だった患者が、現在は740万人以上と実に250倍近く増えています。
糖や蜜のように甘くはない話だと感じています。
2004/室蘭民報/6月号 

[ 26 ] 痩せるために、基礎代謝量を上げることはできますか?
基礎代謝量は、間違った食生活や運動不足によって下がりますし、反対に軽めの運動を続ければ上げることもできます。
また、極端に食事を減らすと、基礎代謝はかなり下がることが知られています。
それは少ないエネルギーで自分の体を動かす方法を、体が学んでしまう防衛機能からきます。
そうすると、大食しなくても太ってしまうということになります。
また基礎代謝は、20代前半をピークとして年齢と共に徐々に低下していきます。
運動もせずに若い時のままの食生活を続けると、中年太りの原因になります。
特に若い頃、運動を激しくしていた人が中年以降に太りやすいのはこのためです
2004/室蘭民報/7月号 

[ 27 ] 太っていると糖尿病になりやすいのですか?
「肥満」は糖尿病においてはただ体重が重い、という意味ではありません。
体重はそれほど重くなくても、体脂肪が多いと肥満といえます。
一般的には、体脂肪率が男性で25%、女性で30%を超えると肥満とされます。
また、最近は脂肪の率だけでなく、どこに脂肪があるかも重要とされています。
体脂肪は大きく皮下脂肪と内臓脂肪に分けられており、健康に問題があるとされるのは主に内臓脂肪です。
内臓脂肪型の肥満に糖尿病や高血圧が合併しやすいことが知られています。
日本人の糖尿病は欧米人のものと比べ、肥満は軽度なのですが、内臓に脂肪がつきやすく、インスリンの分泌が低下しやすいのが特徴といわれています。
2004/メールマガジン/7月号 

[ 28 ] 糖尿病患者です。旅行時の注意点を教えてください。
糖尿病患者であることを書いたカードを持ち歩きましょう。
カードには使用している薬剤の量と名前、かかっている診療所と主治医の名前も書いておくと安心です。
また、旅行中必ず手元におくバッグを決め、その中に薬剤、血糖測定器一式、低血糖治療用の糖類を入れておきましょう。
航空会社によっては糖尿病食を用意してくれるところもありますので、事前に問い合わせしてみましょう。
靴は履きなれたものを使い、靴擦れ、まめなどに気をつけましょう。
時差のある海外へ旅行するときには薬剤の投与時間の調節が必要な場合もあります。
事前に主治医に旅行日程表を見せ、相談することをお勧めします。
2004/室蘭民報/8月号 

[ 29 ] 老化を防ぐ食品はありますか?
植物油や魚の油などに多く含まれる不飽和脂肪酸は動脈硬化を防ぐ働きがあります。
しかし酸化しやすいという悪い性質もあります。
鉄に酸素が結びついて錆びるようなものです。
酸素とついた脂肪酸を過酸化脂質といいます。
これは動脈硬化や老化を引き起こし、シミやシワを増やします。
では良い解決方法があるのでしょうか。
ビタミンE、ビタミンC、ベータカロチンなどです。
ビタミンEはアーモンドやナッツ類に多く含まれ、植物油にも含まれています。
ビタミンCやベータカロチンは野菜や果物に多く含まれます。
緑茶もポリフェノールという物質が含まれており、酸化を防ぎます。
老化を防ぐためにもこのような食品をとることをお勧めします。
2004/室蘭民報/9月号 

[ 30 ] ストレスも糖尿病の引き金になるのですか?
ストレスがかかると、アドレナリンなどの血糖値を上昇させるホルモンが分泌されます。
これらのホルモンはインスリンの働きを妨げ、その結果さらに血糖値を上昇させます。
また、ストレスが続くと、それを解消するために食べ過ぎたり、飲みすぎたりすることにもつながり、間接的に糖尿病を引き起こすことも考えられます。
ストレスが直接糖尿病を引き起こす訳ではありませんが、ストレスの多い環境が糖尿病の一因になりうるということですね。
2004/室蘭民報/10月号 

[ 31 ] 糖尿病になると、なぜ喉が渇くのですか?
糖尿病の自覚症状には、口渇(喉や口が渇く)、多飲(水をたくさん飲む)、多尿(尿が多い)などがあります。このうち、最初に自覚しやすいのが喉の渇きです。
血糖値がある一定以上に高くなると、腎臓で糖を吸収しきれなくなり、糖が尿と一緒に排泄されるようになります。
このとき、たくさんの水分が必要になり、尿として多量の水分が体外に出ていきます。
その結果、体内の水分が不足するため、喉の渇きを覚えるようになります。
この状態の時は脱水になりやすいので、早急な受診が必要です。
2004/室蘭民報/11月号 

[ 32 ] 糖尿病の人は太っていると思っていたのですが、やせていくこともあるのですか。また、なぜやせるのですか?
太っている人の筋肉や脂肪は、それだけインスリンを必要とするので膵臓に負担がかかります。
膵臓が疲れてくるとインスリンが不足するようになり、ブドウ糖をエネルギーに変えられないために高血糖になります。
この高血糖のまま放置しておくと、余った糖を細胞に取り込むことができず、尿糖として排出されて、今度はやせていきます。
こうなると、食べても食べてもやせていく悪循環に陥ります。
糖尿病になるまで、あるいは糖尿病の初期には太っていても、進行するとこのようにしてやせて行く人が多いのです。
2004/室蘭民報/12月号 

[ 33 ] 血糖が高い状態を放っておくと、失明する場合もあると聞きましたが本当ですか?
血糖値が高い状態を長い間放っておくと、糖尿病網膜症と言って、 網膜(目をカメラにたとえればフィルムにあたるもの)の毛細血管が詰まったり、毛細血管が破れて血液成分が漏出したりします。
そして進行すると、視力が低下し、急に失明してしまう場合もあります。
しかし、糖尿病であることを自覚してしっかり血糖コントロールをすれば、こうした合併症を防いだり、進行を遅らせたりできます。
また、初期のうちなら有効な治療法がありますので、早めに医師に相談して定期的に検査を受けるようにしましょう。
2005/室蘭民報/1月号 

[ 34 ] 糖尿病で足を切断する場合があると聞きました。本当ですか?
血糖値が高い状態が長期間続くと、末梢神経系や自律神経系が損なわれる糖尿病神経障害が起こることがあります。
末梢神経に障害が起きると、手先や足先に痛みやしびれがあらわれ、症状が進むと触覚や痛覚、温覚などの感覚がなくなります。さらに、足の組織が壊疽(えそ)を起こして、足を切断するまでに至ることもあります。
そうならないためにも、しっかり血糖のコントロールをすることが大切なのです。
また日頃から足を良く観察し、手入れするフットケアも同様に必要です。
2005/室蘭民報/2月号 

[ 35 ] 糖尿病の場合、眼底検査はどれくらいの頻度ですればよいのでしょうか?

糖尿病網膜症は、眼底所見によって、1.正常(網膜症なし)2.単純網膜症 3.前増殖網膜症4.増殖網膜症 の4段階に分けられます。
このような眼底の状態によって、検査の頻度も変わってきます。
1の場合や病状が安定している場合には、年1回程度の眼底検査でいいのですが、2の場合や血糖値が安定していない場合、全身治療を開始した1年目は注意深く検査をする必要があるため、年に3〜4回の眼底検査をおすすめします。
そして、さらに病状が進んでいて、3・4の場合には1ヵ月に1回以上の検査が必要になってきます。
この場合は専門施設をご紹介しています。

2005/室蘭民報/3月号 

[ 36 ] 試験紙で測ったら尿糖が陽性と出ました。
     しかし、病院に行って検査したところ血糖値は正常と言われました。なぜですか?

尿糖量は腎臓が調節しています。
多少の個人差がありますが、尿糖が現れるときには、血糖値は160〜180mg/dL以上あるのがふつうです。
しかしお年寄りや妊娠中などは、ときには血糖値が健康な範囲であっても、腎臓が多量の尿糖を排出する場合があります。
このような場合には尿糖が出ても、血糖値が正常であれば心配ありません。
ちなみにこのような状態を腎性糖尿といい、本当の糖尿病とは区別しています。
いずれにしても試験紙で陽性の場合は、受診をお奨めします。

2005/室蘭民報/4月号 

[ 37 ] インスリン注射をしなければならないのは、どんな状態になったときですか?

1型糖尿病(小児型)であれば、はじめから医師の指導のもとインスリン注射による治療を行います。
糖尿病患者の95%を占める2型糖尿病(成人型)では、多くの場合、食事療法と運動療法で血糖コントロールは可能です。
しかし、それでも良い血糖コントロールが得られないときには経口血糖降下薬による治療を行います。
食事療法、運動療法に経口血糖降下薬による薬物療法を加えても、まだ十分なコントロールが得られない場合や、効果がなくなった場合、インスリン注射による治療を行います。
また、妊娠中に食事療法のみでコントロールできない場合や、緊急の手術の場合などにもインスリンによる治療が必要になります。

2005/室蘭民報/5月号 

[ 38 ] 食後の血糖値が高いと言われました。生活習慣を見直したなら、糖尿病にならなくてすむのでしょうか?

食後の血糖値が高い「耐糖能異常」を放っておくと、かなり高い確率で糖尿病に移行することがわかっています。
しかも、この時期すなわち耐糖能異常から本当の糖尿病に移行するような時期にある人では、肥満、高血圧、高脂血症を合併していることが多く、動脈硬化へと進展する確率が高いこともわかっています。
ただし、早くよくない生活習慣を見直せば、食後高血糖は改善することができ、糖尿病にならずにすむのです。よい食習慣と運動の習慣を身につけましょう。

2005/室蘭民報/6月号 

[ 39 ] 空腹時に2〜3倍のインスリン量があると言われました。糖尿病になりにくいということでしょうか?

通常血糖値が上昇すると、インスリンが分泌されその働きで正常値にもどります。
しかし、空腹時に普通の人の2〜3倍も出ているというのは、たくさんのインスリンが出ないと糖を処理出来ないということを意味しています。
つまり「インスリン抵抗性」の状態にあるということです。
また、このような人は、この状態を放っておくと、動脈硬化が加速する原因にもなります。
さらに脂肪が増え過ぎるとインスリン抵抗性がますます増悪し、糖尿病発症の原因となります。
食べる量を減らして体重を落としたり、運動を積極的にしたりすることによって改善しますので、早めに治療を開始する必要があります。

2005/室蘭民報/7月号 

[ 40 ] 食品交換表とはどのようなものですか?

日本糖尿病学会が編集した「糖尿病食事療法のための食品交換表」のことを言います。
この食品交換表は、日常食べている多くの食品を、主としてどんな栄養素が含まれているかによって、6つの食品グループ(6つの表)に分け、それぞれの食品1単位(80キロカロリー)にあたる量をグラムで表示しています。
食品交換表がわかるようになると、適正な量で栄養バランスのよい食事の献立が誰にも手軽につくれるようになります。
ただ食品交換表を使いこなせるようになるには、基本的な糖尿病のしくみを知った上で栄養士からの指導が必要です。
栄養士、または糖尿病療養指導士がいる医療施設で相談するのがよいと思います。

2005/室蘭民報/8月号 

[ 41 ] 最近話題のメタボリックシンドロームって何ですか?

動脈硬化や心筋梗塞などの死を招く疾患を促進させるのが肥満、高脂血症、糖尿病、高血圧といった生活習慣病です。
ごく軽症時のこれらの疾患はおもに早期の段階で、一つ一つの疾病としてはそれほど身体にダメージを与えませんが、肥満でありながら複数併せ持つ状態をメタボリックシンドロームと呼びます。
このメタボリックシンドロームは急速に動脈硬化を進行させることがわかっています。
わが国では1000万人以上の患者がいると推定されています。
このほど日本内科学会を含む8つの学会が診断基準を発表しました。
■診断基準
@ 腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上
A 収縮期の血圧が130mmHg以上かつまたは、拡張期血圧が85mmHg以上
B 空腹時の血糖値が110mg/dl以上
C 中性脂肪が150mg/dl以上かつまたは、HDLコレステロールが40mg/dl未満

以上のうち@に加えて、AからCのうち二つ以上の条件が当てはまる場合メタボリックシンドロームと診断されます。

2005/室蘭民報/9月号 

[ 42 ] カロリーを減らすために食事を1日2回にしてはいけないでしょうか?

1日2回ですと3回に比べて一度に食べる量が多くなってしまい、血糖値が急激に上昇し血糖コントロールが乱れやすくなってしまいます。
血糖値の急激な変化は動脈硬化を進展させると言われています。
一度に適量を摂れば血糖値はあまり高くならず安定します。
1日3食、規則正しく食べたときは、血糖値が安定し、病状も安定するというデータもありますので1日3食を心がけて下さい。

2005/室蘭民報/10月号 

[ 43 ] 糖尿病にはお酒が良くないと聞きました。なぜですか?

アルコールは高カロリーで、その多くは栄養素を含んでいないところが問題です。
日本酒1合はごはん1杯分のカロリーに相当するので、アルコールを飲んだらその分ごはんを控えればいいと考える方がいます。
しかし、ごはんに含まれる糖質やタンパク質、ビタミンなどはアルコールで補うことはできません。
アルコールは食欲を刺激するので、食べすぎてしまい、これが血糖値を上げることになります。
血糖コントロールのできていない人は、禁酒するのが基本です。
一方、コントロールがうまくいっている人は、飲み過ぎない程度にアルコールと上手につきあう方法を知りましょう。

2005/室蘭民報/11月号 

[ 44 ] インフルエンザについて教えてください。

インフルエンザは、インフルエンザウィルスによる感染症で初冬から春にかけて流行し、ウィルスの型はA・B・C型に分けられます。
突然38〜39℃という高熱を発し、頭痛・筋肉痛や鼻汁・咽頭痛・咳・全身倦怠などの症状を呈します。
このようにならないために毎年予防接種を行ないます。
効果が出るまでに2週間ほどかかるため、12月の下旬までに接種することをお奨めします。
また、一生涯保持される免疫ではない為、毎年受ける必要があります。
それでも発症した場合、48時間以内に服用すると非常に効果的な薬剤が発売されていますので、早めに医療機関を受診下さい。安静にして十分睡眠をとり、水分を補給することも大切です。

当院では「インフルエンザの予防接種」を実施しています。料金等はお問い合わせください。

2005/室蘭民報/12月号 

[ 45 ] 糖尿病の患者さんは現在どれくらいいるのですか?

厚生労働省の調査によると、医療機関で治療を受けている糖尿病の患者さんは、国内で約 228万人います(2002年の患者調査)。
ところが実際の患者数は約740万と推定されていて(2002年の糖尿病実態調査)、この数字の差から、糖尿病であることに気付かないでいる人や、気付いていても治療をしないでいる人が、いかに多いかがわかります。
糖尿病は自覚症状が少ないためにこのような状況となっているのですが、治療しないでいると、やがて全身にさまざまな障害を起こすのがこの病気の特徴であり、恐ろしい点です。

2006/室蘭民報/1月号 

[ 46 ] 飲む育毛剤があると聞いたのですが本当ですか?

はい、萬有製薬が2005年10月に厚生労働省から輸入承認を取得し、同年12月から日本初の男性型脱毛症用薬「プロペシア」を発売しました。
これが男性型脱毛症の進行を抑制するための経口薬、飲む育毛剤です。
本来は前立腺肥大や前立腺がんの治療薬として開発された医薬品ですが、副作用として異常発毛をみたことから発毛剤として用途が広がりました。
すでに米食品医薬品局では「飲む育毛剤」として認可されている医薬品です。
プロペシアは医療用医薬品で、購入には医師の診断、処方が必要です。
治療費は保険の対象とはならず、全額自己負担となります。
成人男性が対象となっており、女性は服用できません。詳しくは医療機関にお問い合わせください。

2006/室蘭民報/2月号 

[ 47 ] ペットボトル症候群という言葉を聞きました。どのようなものなのか教えてください。

もともと糖尿病と診断されていなかった人が、糖分を含む清涼飲料水を大量に飲んだために、血糖値が上昇し、糖尿病を発病するケースの事です。
血糖値が上昇し始めると、ますますのどが渇く、だからますます飲む、するとますます血糖値が上昇するため、飲めば飲むほどのどが渇くという悪循環に陥ることが多く、口渇、多飲、多尿、体重減少といった、糖尿病の典型的な急性症状を伴って、かなり急激に糖尿病を発症する場合が多いです。
もちろん、夏場に多いですが、冬に発症した患者さんもいました。

2006/室蘭民報/3月号 

[ 48 ] 糖尿病ではごはんなど糖質が多いものは食べないほうがいいですか?

糖質は、からだにとって欠かせない栄養素です。もちろんとりすぎは厳禁ですが、糖質を制限しすぎるとインスリンの働きが悪くなり、かえって血糖値が上がってしまう場合もあります。
砂糖などは食後急激に血糖値を上昇させてしまいますが、主食になるごはんやパンやめん類などに含まれるでんぷんは、消化に時間がかかるので、血糖値がゆるやかに上昇し安定しやすくなります。
また、これらの穀類には、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維も含まれています。
適量をきちんと食べましょう。

2006/室蘭民報/4月号 

[ 49 ] 一度インスリン注射を始めたら一生止められないのですか?

血糖値が高いと、それ自体がさらにインスリン分泌を低下させたり、筋肉や脂肪細胞でのインスリンの働きが悪くなったりと悪循環が起きます。
この状態を糖毒性と言います。
インスリン治療によってその状態を改善させると、高血糖の改善の好循環が始まって、インスリン療法が不要になることが少なくありません。
このようにインスリンを一時的に使用する治療法もあります。ですから一度インスリンを始めたら、止められないという訳ではありません。

2006/室蘭民報/5月号 

[ 50 ] 「低インスリン食」「グリセミック・インデックス」とはどういうものですか?

低インスリン食とは、食後の糖分吸収をおだやかにしてインスリン分泌をあまり刺激しない食事のことです。
具体的にいうと、食物繊維を多く含んでいたり、炭水化物が少なくたんぱく質や脂質が多い食品・献立です。
グリセミック・インデックス(GI)とは、ある食品を一定量食べたあとに血糖値がどれくらい高くなるかを示す指標のことです。
GI値が低い食事が低インスリン食にあたります。
こうした食事はダイエットや糖尿病治療に役立つこともありますが、食事療法の基本を理解したうえで取り入れないと、栄養がかたよったり体重が増えたりしてしまいます。

2006/室蘭民報/6月号 

[ 51 ] 食後の血糖値が高い「耐糖能異常」と言われました。生活習慣を見直したら、糖尿病にならなくてすむのでしょうか?

食後の血糖値が高い「耐糖能異常」を放っておくと、かなり高い確率で糖尿病に移行することがわかっています。
しかも、この時期すなわち耐糖能異常から本当の糖尿病に移行するような時期にある人では、肥満、高血圧、高脂血症を合併していることが多く、動脈硬化へと進展する確率が高いこともわかっています。
ただし、早くよくない生活習慣を見直せば、食後高血糖は改善することができ、糖尿病にならずにすむのです。
よい食習慣と運動の習慣を身につけましょう。

2006/室蘭民報/7月号 

[ 52 ] 糖尿病性神経障害のことを教えて下さい

糖尿病の神経障害は、主に末梢神経が侵され、全身に及びます。
早期にあらわれる症状は、こむらがえりが起こりやすくなったり、手足の先がしびれたり、針で刺されたように痛んだり、足の裏に違和感があったりします。
軽いうちは血糖をコントロールするだけでほとんどがよくなり、神経障害の進行を防ぐことができます。
神経障害が進んだ場合は、薬物治療が必要です。
血糖値を高いままにしておくと自律神経にも障害が起こります。
その場合、発汗異常、立ちくらみ、便通異常、膀胱障害、勃起障害などの症状があらわれます。

2006/室蘭民報/8月号 

[ 53 ] 太るとなぜ糖尿病に良くないのでしょうか?

血糖が上がる原因としてインスリンの分泌力が低下することと、筋肉などの組織でインスリンの感受性が低下することの、二つがあります。
太ると脂肪の量が増え、インスリンの感受性が低下するのでさらに糖尿病が悪化します。
最近、インスリンの分泌や効き目を改善するクスリも出てきていますが、そうした薬に頼るよりもインスリンの感受性を増すために、まず食事量を減らし標準体重にすることが大切です。
太ると糖尿病を悪化させるだけではなく動脈硬化や高血圧などの生活習慣病も合併しやすくなります。

2006/室蘭民報/9月号 

[ 54 ] ストレスが糖尿病に与える影響は?

ストレスは過食、運動不足とともに糖尿病の3大原因の一つです。
そればかりか病状を悪化させる大きな要因でもあります。
怒ったり興奮したり時間に追われてイライラするとカテコールアミンが大量に分泌されるので、インスリンの分泌や感受性が低下し血糖値が上がります。
そのため、毎日の生活からストレスを減らす工夫が治療上も非常に大切です。
みなさんのライフスタイルにあった方法で、解消に努めてください。

2006/室蘭民報/10月号(1) 

[ 56 ] 糖尿病で運動療法をしてはいけない時はどんな時ですか?

運動療法に制限があるのは、合併症があって、しかも進行している場合です。
軽い合併症があっても、歩行など中程度の強さの運動であればまず問題はありませんが、走る、泳ぐといった強い運動はかえって病状を悪化させます。
腎症、増殖性網膜症、狭心症、眼底出血、下肢の動脈硬化による動脈の閉塞などがある場合、禁止か制限があります。
合併症の程度や年齢などの違いもあるので、状態に応じた運動を主治医に処方してもらい、その範囲で運動することをお薦めします。

2006/室蘭民報/11月号(1) 

[ 56 ] インスリン注射を打ち忘れました。どうすればいいでしょうか?

インスリンを打ち忘れた場合に大切なのは、量を打ちすぎないことです。
経口剤に比べてインスリンは効き目が早く、時間単位で効いてくるからです。
打ち忘れに気付いたら、まず落ち着いて血糖値を測り、その状態にあった量を注射するのが原則です。
量の加減は個人差もあるので主治医と相談してある程度の目安を事前に決めておきましょう。

2006/室蘭民報/11月号(2) 

[ 57 ] インフルエンザについて教えてください。

インフルエンザは、インフルエンザウィルスによる感染症で初冬から春にかけて流行し、ウィルスの型はA・B・C型に分けられます。
突然38〜39℃という高熱を発し、頭痛・筋肉痛や鼻汁・咽頭痛・咳・全身倦怠などの症状を呈します。
このようにならないために毎年予防接種を行ないます。
効果が出るまでに2週間ほどかかるため、12月の下旬までに接種することをお奨めします。
また、一生涯保持される免疫ではない為、毎年受ける必要があります。
それでも発症した場合、48時間以内に服用すると非常に効果的な薬剤が発売されていますので、早めに医療機関を受診下さい。安静にして十分睡眠をとり、水分を補給することも大切です。

2006/室蘭民報/12月号 

[ 58 ] 糖尿病の薬を飲んでいますが他の薬の飲み合わせが心配です。

薬物療法の人が、他の病気の治療で薬を飲まなければならない場合、通常の風邪薬や下痢止めなどの市販薬の場合はほとんど心配ありません。
しかし鎮痛剤の一部で血糖降下作用を増強するものもあるので注意が必要です。
複数の医師にかかる場合には、それぞれの医師に使用中の薬剤を知らせる必要があります。
数ある薬の中には低血糖の症状をわかりにくくするなど、副作用をもたらす場合があります。
またステロイド剤などは血糖を上昇させるので、必ず血糖測定しながら経口剤やインスリン量を決める必要があります。

2007/室蘭民報/1月号 

[ 59 ] インスリン注射を打ち忘れました。どうすればいいでしょうか?

インスリンを打ち忘れた場合に大切なのは、量を打ちすぎないことです。
経口剤に比べてインスリンは効き目が早く、時間単位で効いてくるからです。
打ち忘れに気付いたら、まず落ち着いて血糖値を測り、その状態にあった量を注射するのが原則です。
量の加減は個人差もあるので主治医と相談してある程度の目安を事前に決めておきましょう。

2007/室蘭民報/1月号 

[ 60 ] 糖尿病の誘引は何ですか?

糖尿病は加齢のほか日常の生活習慣が誘引となって発病するため「生活習慣病」といわれています。 そして、糖尿病の患者は年々増え続けています。
その理由は、現代社会そのものが糖尿病を生みやすい構造にあるからです。
食べすぎ、運動不足、ストレス、アルコールの飲みすぎなど、どれをとっても現在増え続けている事柄で、外食産業の隆盛や自動車社会の繁栄、肥満の増加、ストレス社会など糖尿病を招きやすい条件は沢山そろっています。また、これらの生活習慣に関わる誘引とともに遺伝的な素因も深く関係しているため親戚に糖尿病の人がいる場合にはとくに注意が必要です。

2007/室蘭民報/2月号(1) 

[ 61 ] 糖尿病で血糖値が上がる仕組みを教えてください。

インスリンは膵臓で作り出されるホルモンで、細胞が血液の中からブドウ糖を取り込んでエネルギーとして利用するのを助ける働きをしています。
インスリンの作用が不足すると、ブドウ糖を利用できなくなり、血液中のブドウ糖濃度「血糖値」が高くなります。これを高血糖といい、この状態が継続するのが糖尿病です。
インスリンの作用不足には、膵臓のインスリンを作り出す(インスリン分泌)能力が低下してしまうことと、インスリンに対する細胞の感受性が悪くなることのふたつの原因があります。

2007/室蘭民報/2月号(2) 

[ 62 ] 炭水化物をエネルギーとして利用する仕組みを教えて下さい。

私達は食べ物を消化、吸収することで生命を維持し活動するためのエネルギーを得ています。
エネルギー源として最もよく使われるのが炭水化物です。
炭水化物は消化吸収され、ブドウ糖となって肝臓へ送られます。
そのうちの一部は脳や筋肉で利用され、残りのブドウ糖は肝臓内にグリコーゲンとして蓄えられます(さらに余った分は脂肪になります)。
身体活動で血液中のブドウ糖を消費するとグリコーゲンが分解されて再びブドウ糖となって血液中に放出されます。
このようにして活動のためのエネルギーが常に維持され、血糖値は一定の範囲内の変動に収まっているのです。

2007/室蘭民報/3月号(1) 

[ 63 ] 尿に糖が出ていると糖尿病なのですか?

糖尿病という名前から、尿に糖が出ているのを糖尿病だと思い込んでいる人がいますが、これは間違いです。
糖尿病でも尿糖が出ない場合もあり、尿糖が出ていても糖尿病ではないこともあります。
糖尿病の診断はあくまで血糖値を中心に考えられます。
だからといって尿糖を測る意味がないわけではありません。
血糖値を知る機会がなくても、簡単に自分でチェックできるという意味では尿糖検査は大切です。
自分は大丈夫だと思っている人は大食した1.2時間後に尿糖を調べてみてください。
反応があるなら要注意です。正常ならば食後といえども尿糖は出ません。

2007/室蘭民報/3月号(2) 

[ 64 ] 薬を使い始めると糖尿病は重症なのですか?

糖尿病の場合他の病気と違って、一口に重症と軽症とかいうことはできません。
一般には合併症を持つ患者さんほど重症度が高いと考えられます。
薬物療法をしているからという理由だけでは重症とはいえません。
飲み薬を飲んだりインスリンを打ったりしていても、血糖値のコントロールが良く、合併症がないのであれば重症だと考える必要はありません。

2007/室蘭民報/4月号(1) 

[ 65 ] ブドウ糖負荷試験について教えて下さい

75グラムのブドウ糖を飲み、時間を追いながら血糖を調べる検査です。
血糖値の変動から糖尿病なのか、正常値なのか、あるいはその境界型なのか、パターンが示されます。
境界型の人は今は大丈夫でも糖尿病を発病する可能性が高いので、定期的に検査を受けるようにしましょう。
また、糖尿病の人は動脈硬化を起こしやすいのですが、境界型の人や正常型でも1時間値が180mg/dl以上だと、やはり動脈硬化の危険性が高いので注意が必要です。

2007/室蘭民報/4月号(1) 

[ 66 ] 低血糖になりやすいのはどんな時ですか?

低血糖は薬や注射で補ったインスリンの量が体のインスリン必要量を上回った時に起こります。
具体的には食事の間隔を開けすぎた時、食事の量が少なかった時、いつもより体を動かした時、朝食前に運動した時、飲み薬やインスリンの量を間違えた時、飲み薬の働きを強める薬を併用した時、インスリンの注射をした直後に運動した時などです。
またシックディで血糖値の変動が大きくなりがちな日も、低血糖を起こることがあります。

2007/室蘭民報/5月号 

[ 67 ] 低血糖にならないようにするにはどうすればいいのでしょうか?

それは体のインスリンの必要量と薬や注射で補うインスリンの量のバランスを崩さないことです。
そのため、できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。
決まった時間に指示カロリー通りに食べ、指示時刻に薬を正しく飲み、一定の運動をしていれば、インスリン量のバランスが崩れることも少ないはずです。
早朝や空腹時の運動は避けるべきです。
また食事の間隔があくときは、通常の食事に軽く1単位程度の炭水化物をとっておき、次の食事でその分を減らすなどの工夫をしましょう。

2007/室蘭民報/6月号 

[ 68 ] 外食する際の注意点を教えて下さい。

外食で注意しなくてはいけないのは、味付けが濃く油や砂糖がたくさん使われていることです。
和食では砂糖や味醂の量、洋食では肉の脂と料理に使われているバターや生クリーム、ソースなどに気をつけてください。
中華料理は油がたっぷり使われています。
食材自体が油で下処理されていますし、かかっている餡の量も大変なものです。
油が多い外食メニューの場合、揚げ物の衣を外したりソースやスープを残すなどの工夫が必要です。

2007/室蘭民報/7月号 

[ 69 ] 外食の際のコツを教えて下さい。

上手な残し方が上手な食べ方です。
料理が運ばれてきたらまず目安量で自分が食べるのはどのくらいか判断します。
例えば一日1600kcalの人で昼食が560kcalの人は目安をつけ、おかずやごはんでオーバーする分を食べる前に器の端によけておき、手をつけないようにします。
魚料理など食材の形がそのまま残っているものは目安量を掴みやすいので外食初心者にはお薦めです。
また、よける量がほんの少しの場合も「ちょっとぐらいは」と食べずに必ず残すようにしましょう。
この場合お店の人に一言断るといいでしょう。

2007/室蘭民報/8月号 

[ 70 ] なぜ風邪や病気になると血糖値が悪化するのですか?

病気になると血糖値をあげるアドレナリンなどのストレスホルモンやサイトカインが分泌されます。
糖尿病でない人は、その分泌に合わせてインスリンも多く分泌されますが、糖尿病の人はインスリンの追加分泌ができないため、血糖値がいつもより上昇します。
病気の程度により差がありますが、一般に血糖値は30%は上昇するといわれています。

2007/室蘭民報/9月号 

[ 71 ] 糖尿病があると尿路感染症になりやすいのですか?

はい。糖尿病の三大合併症のひとつの神経障害がある人では、尿路感染所になる危険がより高くなります。
健康な人では排尿後、膀胱は一旦空になります。
しかし、自律神経が冒されていると、尿意をなかなか催さなかったり、排尿時に膀胱が十分に収縮しないため、膀胱内に常に尿が残った状態になります。
このため、膀胱炎などの尿路感染症になりやすいのです。

2007/室蘭民報/10月号 

[ 72 ] 糖尿病性腎症における食事の注意点を教えてください。

一番大切なことはタンパク質を制限することです。
体内の余分なタンパク質は尿素などの老廃物となり、腎臓でろ過されて尿中に排泄されます。
腎臓の機能が低下している人がタンパク質をとりすぎると腎臓の負担が大きくなり、そのことが腎症の進行を早めてしまいます。
タンパク質に加えて、塩分とカリウムの制限も必要です。

2007/室蘭民報/11月号 

[ 73 ] 病院で血圧を測ると家で測るよりも高くなるのはなぜですか?

「白衣性高血圧」が疑われます。
家庭ではそれほど血圧が高くなくても、病院に行き医師や看護師の姿を見ると緊張して血圧が上がる現象です。
病院と家庭で測る血圧の差が大きいケースでは、ストレスに敏感で環境に左右されやすく普段の生活でも血圧が高くなる場面が多くなると考えられ、その点を考慮しながら治療を進める必要があります。

2007/室蘭民報/12月号 

[ 74 ] 糖尿病で虫歯や歯周病がおきやすいのは何故ですか?

色々な原因が考えられますが、まず糖尿病では血流が悪くなります。
また、特に1型で白血球機能が低下します。
さらに唾液や歯と歯肉の間からの浸出液中の糖分が高くなり、唾液が減り口の中が乾燥しやすくなります。
これらは虫歯や歯周病を起こす細菌を繁殖しやすい環境を作り出します。
また歯周組織を修復するコラーゲン代謝機能に異常が起き、歯周病が進行しやすくなります。

2008/室蘭民報/1月号 

[ 75 ] 糖尿病は自己管理が大切な病気と聞きますが、高血圧も同じですか?

はい。糖尿病の三大合併症のひとつの神経障害がある人では、尿路感染所になる危険がより高くなります。
健康な人では排尿後、膀胱は一旦空になります。
しかし、自律神経が冒されていると、尿意をなかなか催さなかったり、排尿時に膀胱が十分に収縮しないため、膀胱内に常に尿が残った状態になります。
このため、膀胱炎などの尿路感染症になりやすいのです。

2007/室蘭民報/2月号 

[ 76 ] インスリン治療中です。食事療法で気をつけることは何でしょうか?

インスリンは種類によって血糖値の下がり方が多様ですから、注射をしたら指示された時間に食事をとってください。
いつも決まった時間に低血糖が起こるときには、医師に相談して分食するのもよいでしょう。
夜中に低血糖が起こる場合は就寝前にクラッカー(炭水化物)2〜3枚とチーズ(タンパク質)を少々とり予防します。
いつもより多く運動するときは運動前の食事を1〜1.5単位多くして低血糖を予防します。

2007/室蘭民報/3月号 

[ 77 ] 糖尿病の場合、アルコールは飲んではいけないのですか?

アルコールを飲む場合で一番問題なのはつい限度を超えて飲みすぎ、血糖のコントロールを乱すことです。
また、アルコールを飲んだ分食事を減らしたりすると、不健康に痩せてくる場合もあります。
2単位(例えば日本酒1合)を守れる意思の強さがあり、コントロールも安定していれば1合程度は許される場合もありますので主治医、もしくは栄養士と相談することが大切です。

2008/室蘭民報/4月号 

[ 78 ] 糖尿病と痛風は併発しやすいのですか?

痛風(高尿酸血症)は遺伝的に尿酸値が高くなりやすい体質があり、それに様々な生活習慣が加わることで発病します。
尿酸値が上がりやすい生活習慣とは、過食やアルコールの飲みすぎ、運動不足、それによる肥満、精神的ストレスなどです。
これらは糖尿病を招く習慣と同じような内容です。
事実、糖尿病の人は尿酸値が高い人が多く、また高尿酸血症の人は糖尿病や耐糖能障害になりやすいのです。
逆に言えば高尿酸血症を治療することは糖尿病の予防、治療に繋がりますし、糖尿病の食事、運動療法は尿酸値にも良い影響を与えます。

2008/室蘭民報/5月号 

 
 
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◆毎月室蘭民報に掲載されている院長が答える病気のQ&Aです。
糖尿病についての質問がメインですが、それ以外の病気についても詳しく書かれています。
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■Q01■高脂血症検診で高脂血症といわれましたが、よくわかりません。もう少し詳しく教えてもらえませんか?
■Q14■糖尿病太っていると糖尿病になりやすいのですか?
■Q15■糖尿病糖尿病の薬が必要になるのは血糖値がどのくらいの時からですか?
■Q16■睡眠時無呼吸症候群わたしの夫は寝ている間に呼吸がしばらく止まります。大丈夫でしょうか?
■Q17■糖尿病「低血糖」とは何ですか?
■Q18■糖尿病インスリン抵抗性とは何ですか?
■Q19■糖尿病雑誌にあった「糖尿病が治る」という薬を、試したいのですが。
■Q20■糖尿病糖尿病において、お酒やタバコの影響はどうですか?
■Q21■肥満太りやすい体質とか、太りにくい体質というのはありますか。
■Q22■肥満子供の頃から太っているとやせにくいと言われますが本当ですか?
■Q23■肥満痩せたいのですが、脂肪はどのようにすれば減るでしょうか?
■Q24■肥満両親ともに肥満体型です。このままでは私も肥満になりますか?
■Q25■糖尿病糖尿病の名前の由来を教えてください
■Q26■肥満痩せるために、基礎代謝量を上げることはできますか?
■Q27■糖尿病太っていると糖尿病になりやすいのですか?
■Q28■糖尿病糖尿病患者です。旅行時の注意点を教えてください。
■Q29■老化老化を防ぐ食品はありますか?
■Q30■糖尿病ストレスも糖尿病の引き金になるのですか?
■Q31■糖尿病糖尿病になると、なぜ喉が渇くのですか?
■Q32■糖尿病糖尿病の人は太っていると思っていたのですが、やせていくこともあるのですか。
            また、なぜやせるのですか?
■Q33■糖尿病血糖が高い状態を放っておくと、失明する場合もあると聞きましたが本当ですか?
■Q34■糖尿病糖尿病で足を切断する場合があると聞きました。本当ですか?
■Q35■糖尿病糖尿病の場合、眼底検査はどれくらいの頻度ですればよいのでしょうか?
■Q36■糖尿病試験紙で測ったら尿糖が陽性と出ました。
            しかし、病院に行って検査したところ血糖値は正常と言われました。なぜですか?
■Q37■糖尿病インスリン注射をしなければならないのは、どんな状態になったときですか?
■Q38■糖尿病食後の血糖値が高いと言われました。
            生活習慣を見直したなら、糖尿病にならなくてすむのでしょうか?
■Q39■糖尿病空腹時に2〜3倍のインスリン量があると言われました。糖尿病になりにくいということでしょうか?
■Q40■糖尿病食品交換表とはどのようなものですか?
■Q41■生活習慣病最近話題のメタボリックシンドロームって何ですか?
■Q42■糖尿病カロリーを減らすために食事を1日2回にしてはいけないでしょうか?
■Q43■糖尿病糖尿病にはお酒が良くないと聞きました。なぜですか?
■Q44■糖尿病インフルエンザについて教えてください。
■Q45■糖尿病糖尿病の患者さんは現在どれくらいいるのですか?
■Q46■育毛飲む育毛剤があると聞いたのですが本当ですか?
■Q47■糖尿病ペットボトル症候群という言葉を聞きました。どのようなものなのか教えてください。
■Q48■糖尿病糖尿病ではごはんなど糖質が多いものは食べないほうがいいですか?
■Q49■糖尿病一度インスリン注射を始めたら一生止められないのですか?
■Q50■糖尿病「低インスリン食」「グリセミック・インデックス」とはどういうものですか?
■Q51■糖尿病食後の血糖値が高い「耐糖能異常」と言われました。生活習慣を見直したら、糖尿病にならなくてすむのでしょうか?
■Q52■糖尿病糖尿病性神経障害のことを教えて下さい
■Q53■糖尿病太るとなぜ糖尿病に良くないのでしょうか?
■Q54■糖尿病ストレスが糖尿病に与える影響は?
■Q55■糖尿病糖尿病で運動療法をしてはいけない時はどんな時ですか?
■Q56■糖尿病インスリン注射を打ち忘れました。どうすればいいでしょうか?
■Q57■インフルエンザインフルエンザについて教えてください。
■Q58■糖尿病糖尿病の薬を飲んでいますが他の薬の飲み合わせが心配です。
■Q59■糖尿病インスリン注射を打ち忘れました。どうすればいいでしょうか?
■Q60■糖尿病糖尿病の誘引は何ですか?
■Q61■糖尿病糖尿病で血糖値が上がる仕組みを教えてください。
■Q62■糖尿病炭水化物をエネルギーとして利用する仕組みを教えて下さい。
■Q63■糖尿病尿に糖が出ていると糖尿病なのですか?
■Q64■糖尿病薬を使い始めると糖尿病は重症なのですか?
■Q65■糖尿病ブドウ糖負荷試験について教えて下さい
■Q66■糖尿病低血糖になりやすいのはどんな時ですか?
■Q67■糖尿病低血糖にならないようにするにはどうすればいいのでしょうか?
■Q68■糖尿病外食する際の注意点を教えて下さい。
■Q69■糖尿病外食の際のコツを教えて下さい。
■Q70■糖尿病なぜ風邪や病気になると血糖値が悪化するのですか?
■Q71■糖尿病糖尿病があると尿路感染症になりやすいのですか?
■Q72■糖尿病糖尿病性腎症における食事の注意点を教えてください。
■Q73■糖尿病病院で血圧を測ると家で測るよりも高くなるのはなぜですか?
■Q74■糖尿病糖尿病で虫歯や歯周病がおきやすいのは何故ですか?
■Q75■糖尿病糖尿病は自己管理が大切な病気と聞きますが、高血圧も同じですか?
■Q76■糖尿病インスリン治療中です。食事療法で気をつけることは何でしょうか?
■Q77■糖尿病糖尿病の場合、アルコールは飲んではいけないのですか?
■Q78■糖尿病糖尿病と痛風は併発しやすいのですか?
■Q79■糖尿病肥満を予防する食事方法を教えてください。
■Q80■糖尿病糖尿病ではうつが多いのですか?
■Q81■糖尿病糖尿病に気がつかない人はどれくらいいるのですか?
■Q82■糖尿病糖尿病の本や雑誌によくインスリンとでてきますが何のことですか?
■Q83■糖尿病糖尿病とは医学的にどのような状態ですか?

[ 1 ] 検診で高脂血症といわれましたが、よくわかりません。 もう少し詳しく教えてもらえませんか?
高脂血症とは、血液中に溶けている脂質の値が必要量よりも異常に多い状態をいいます。
高脂血症は血中脂質が異常に増加しても、ほとんどの場合において自覚症状がないのが特徴です。
血中脂質にはコレステロール、リン脂質、中性脂肪、遊離脂肪酸などがあります。
脂質の種類により高脂血症のタイプが決まってきます。

1)総コレステロール値が高いタイプ
2)中性脂肪値が高いタイプ
3)両方の値が高いタイプ

血中脂質が高い状態が続くと狭心症、心筋梗塞などの心臓病にかかる危険性が高くなります。
高脂血症は一般に血中の総コレステロール値が220mg/dl以上の場合を指します。
この10年間で高脂血症の割合は1.5〜2倍にも増えています。
2002/室蘭民報/6月号 

[ 2 ] 近食後の血糖値が高いことが体に悪いと聞いたのですが、本当ですか?
よくご存知ですね。
ヨーロッパで行われたDECODE studyで負荷後2時間の血糖値は年齢、性、血圧、コレステロール、空腹時血糖とは独立して全死亡ならびに心血管死亡率に関与しているという結果がでました。
日本で行なわれた舟形研究でも同様な結果がでています。
簡単に言うと、空腹時の血糖値だけでは危険を見逃してしまうかもしれないので、負荷試験や食後の血糖値も測ったほうがいいですよ、ということです。
だから食前と食後2時間の血糖値を当院では測っているのです。
2002/室蘭民報/7月号 

[ 3 ] 糖尿病の患者さんはなぜ太っている人が多いのですか?

<参考URL>

肥満は糖尿病と深く関わっています。
調査してみますと、2型糖尿病の約2/3が現在肥満であるかあるいは過去に肥満を経験しています。
実際、肥満者ではインスリンの血糖低下作用が弱まっていることがわかっています。

最近の研究から、脂肪を蓄積する細胞である脂肪細胞から、インスリンの作用を妨害する遊離脂肪酸やTNFと呼ばれる物質などが分泌されることがわかってきました。
肥満し、脂肪細胞が増え、これらの妨害物質が増えてくると、せっかく
分泌されたインスリンがうまく働くことができなくなり、血糖が上昇するようになります。
だから太った人に糖尿病が多いのです。

2002/室蘭民報/8月号 

[ 4 ] 高血圧で治療中です。 なぜ薬を飲まなければいけないのですか。
高血圧を治療する目的は、高血圧による合併症を予防することで、特に死亡を防ぐことです。
ある研究では約50,000人の対象者を二つに分け、片方のグループに血圧を下げる薬を飲んでもらい、残りのグループは薬を投与しなかった場合、薬で血圧が6〜7mmHg低下すると脳卒中による死亡を40%、心筋梗塞による死亡を16%減少させることができました。
また、あらゆる原因の死亡を合計しても、薬を服用したグループでは死亡者数が約13%減少しました。
このように、薬で少し血圧を下げることにより、死にいたる合併症を防ぐことができることが証明されています。
2002/室蘭民報/9月号 

[ 5 ] 現在、日本には糖尿病の患者さんってどれくらいいるのですか?
1997年の厚生省(現:厚生労働省)の調査では、日本の糖尿病患者数(推計)は690万人と発表されました。
これは、成人の10人に1人が糖尿病という計算にな
り、1990年の調査報告から比較すると130万人も増加しています。
また、糖尿病とまではいかないけれど健康な人より血糖値が高い、「糖尿病予備軍」も含めると1370万人にものぼると報告されています。
これほどの患者数増加の背景には「食習慣の欧米化」「交通手段の発達による運動不足」などがあるといわれています。
自分は違うと思っていても一度はきちんと調べたほうがいいですね。
2002/室蘭民報/10月号 

[ 6 ] 糖尿病とは医学的にどのような状態ですか?
食事をした後、腸から吸収されたブドウ糖は血液中から脳や筋肉などの細胞へ入り、私たちが活動するのに必要なエネルギー源となります。
細胞内にブドウ糖を取り込むのに必要なホルモンが「インスリン」です。
このインスリンの働きが悪くなったり(「インスリン抵抗性」といいます)、体内で作られなくなったり、作られても量が少なかったりして細胞内にブドウ糖をうまく取り込めなくなると、ブドウ糖は血液中にとどまり、血糖値(血液中のブドウ糖の量)が高くなってきます。
血糖値が高い状態を「高血糖」といい、これが糖尿病の状態です。
2002/室蘭民報/11月号 

[ 7 ] 糖尿病の本や雑誌によくインスリンとでてきますが何のことですか?

胃の後ろにある「すい臓」という臓器でつくられる、体の中で唯一、血糖を下げる働きをもつホルモンです。
すい臓の中でインスリンを作っている細胞は「ランゲルハンス島のβ細胞」です。
β細胞の働きが悪くなったり、何らかの理由でβ細胞が壊れてしまったりするとインスリンは減少したり、全く作られなくなったりします。
すると血糖値が下がらなくなり、糖尿病になります。
また、インスリンが十分にある場合でも「インスリン抵抗性」があると、インスリンが十分働くことが出来なくなり、やはり血糖値が上がって糖尿病になります。
2002/室蘭民報/12月号 

[ 8 ] インスリン抵抗性とはなんですか?
体の中でインスリンが働きにくくなった状態です。
インスリンには血中のブドウ糖を筋肉や肝臓などの細胞の中へ取り込ませる働きがあり、これによって血液中のブドウ糖が減る、つまり血糖が下がるのです。
しかし、インスリン抵抗性があるとインスリンが効きにくくなり、血糖を下げる働きが弱くなります。
インスリン抵抗性は2型糖尿病の発症と特に深いかかわりがあると考えられています。
初期は、すい臓のβ細胞がインスリンを大量生産して働きの弱くなった分を補おうとするのですが、だんだんβ細胞も疲れてきてインスリンの分泌量が減ってきます。
すると血糖が下がらなくなり、糖尿病が発症すると考えられています。
インスリン抵抗性の発生原因には、遺伝に加えて過食、運動不足、肥満などの悪い生活習慣が関与しているといわれています。
2003/室蘭民報/1月号 

[ 9 ] 糖尿病に1型と2型があると聞きますが、どのように違うのですか?
1型糖尿病を「インスリン依存型糖尿病」、2型糖尿病を「インスリン非依存型糖尿病」といいます。
インスリン依存状態とは、すい臓のβ細胞が何らかの理由で破壊されてしまい、インスリンをつくる機能がない、またはほとんどない状態で、インスリン注射をしなければ生きていけない状態です。
これに対しインスリン非依存状態とは、インスリンをつくる機能はあっても作られたインスリンが有効に使われず血糖が下がらない状態をいい、インスリンの分泌が低下したり、治療にインスリンを使ったりすることもありますが、インスリンを投与しなければ生きていけないということはありません。
また、徐々にすい臓のβ細胞が破壊されて最終的に1型の糖尿病になってしまう、一見2型糖尿病のように見える1型というタイプの糖尿病もあります。
日本では、1型糖尿病はごくわずかで、ほとんどの患者さんが2型糖尿病です。
生活習慣病に含まれるのは2型の糖尿病です。
2003/室蘭民報/2月号 

[ 10 ] 糖尿病の食事療法で「食べてはいけないもの」はありますか?
基本的にこれは食べてはいけないというものはありません。
しかしどの食べ物も、食べ方によっては問題になります。
また、「糖尿病の治療に食事療法を指導されたのみで薬が出なかったから私の糖尿病は軽い」と安心してはいけません。
食事療法は、糖尿病治療の基本です。
食事療法がうまくいかずに血糖コントロールが悪化すれば合併症の心配も出てきます。
薬が処方されていなくても、食事療法は「治療」の一部です。
2003/室蘭民報/3月号 

[ 11 ] 糖尿病の多い家系です。糖尿病は遺伝するのですか?
2型糖尿病の場合、親が糖尿病であれば必ず子どもも糖尿病になるとは限りませんが、家族に糖尿病の人がいない場合に比べると、糖尿病になりやすい(なる確率が高い)ことは事実です。
一方、1型糖尿病は2型糖尿病ほどは遺伝しません。
遺伝するのは糖尿病そのものではなく、「糖尿病になりやすい体質」と考えられています。
その体質を受け継いでも、必ず糖尿病になるとは限りません。
そのような体質に食べ過ぎ、運動不足、肥満、ストレスなど、いろいろな生活習慣が重なることで、糖尿病が発症すると考えられています。
糖尿病の発症に体質と生活習慣のどちらの影響が大きいか、については患者さんによって様々です。
2003/室蘭民報/4月号 

[ 12 ] 私は糖尿病ですが、「足の手入れを」と先生に言われました。 どういうことですか?
糖尿病の合併症に、糖尿病性神経障害というものがあります。
感覚神経が障害を受けると、痛みを感じにくくなります。
特に足の傷は、痛みを感じなければ発見が遅れ、手当ても遅れます。
そして傷口から雑菌が入り、化膿しますが、糖尿病の患者さんは免疫力が低下していることが多いため、感染部分が広がっていきます。
健康な人であれば痛いはずなのですが、神経がやられていると感じません。
「足の先が黒くなってきて、大きな穴もあいてきた」ということで、受診してみたら、足の先は血管が詰まって壊死してしまい、切断を余儀なくされたりすることもあります。
そうならないために、ふだん気づきにくい足の傷、靴ずれ・まめ・深爪・しもやけ・こたつやカイロによる低温やけどなどを含めて、入浴したときなどにしっかり観察しておくこと、ケガは早めに手当てをすることが重要です。
2003/室蘭民報/5月号 

[ 13 ] HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは何ですか?
血液の赤血球の中にヘモグロビンという成分があります。
ヘモグロビンがブドウ糖にさらされると徐々にくっついて「グリコヘモグロビン」になっていきます。
血中のブドウ糖が多いとグリコヘモグロビンができやすく値が高くなります。
血中のグリコヘモグロビンの濃度は、過去1〜2ヶ月間の血糖コントロール状態を示しますが、HbA1cとは、グリコヘモグロビンの中で測定のしやすい種類のことで、健康な人ではだいたい4〜5.8%(ヘモグロビン全体のうちHbA1cがどれだけ含まれるかの割合)とされています。
糖尿病の患者さんであれば8%を超えるとコントロール状態が悪いと判断されます。
2003/室蘭民報/6月号 

[ 14 ] 太っていると糖尿病になりやすいのですか?
「肥満」は糖尿病においてはただ体重が重い、という意味ではありません。
体重はそれほど重くなくても、体脂肪が多いと肥満といえます。
一般的には、体脂肪率が男性で25%、女性で30%を超えると肥満とされます。
また、最近は脂肪の率だけでなく、どこに脂肪があるかも重要とされています。
体脂肪は大きく皮下脂肪と内臓脂肪に分けられており、健康に問題があるとされるのは主に内臓脂肪です。
内臓脂肪型の肥満に糖尿病や高血圧が合併しやすいことが知られています。
日本人の糖尿病は欧米人のものと比べ、肥満は軽度なのですが、内臓に脂肪がつきやすく、インスリンの分泌が低下しやすいのが特徴といわれています。
2003/室蘭民報/7月号 

[ 15 ] 糖尿病の薬が必要になるのは血糖値がどのくらいの時からですか?
治療方針によって違いますので、「血糖値○○mg/dlから」と決定づけることは出来ませんが、はじめは食事療法・運動療法からとりくんで、十分な効果が得られない場合は薬物療法が必要です。
薬を使用する場合でも、食事療法・運動療法にきちんと取り組んでいかなければ薬の効果は十分発揮されません。また、インスリン注射を早期から取り入れてすい臓を休ませることで、すい臓の働きを取り戻すという治療法もあります。
日本糖尿病学会によると治療中の血糖目標値は、空腹時血糖値=120mg/dl以下、食後2時間血糖値=170mg/dl以下、ヘモグロビンA1c=6.5%以下、とされています。
2003/室蘭民報/8月号 

[ 16 ] わたしの夫は寝ている間に呼吸がしばらく止まります。大丈夫でしょうか?
睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
この疾患は寝ている時に呼吸が止まり、大きなイビキを繰り返す病気です。
一般の健康と思われている成人にも数多く潜在しています。
高血圧、不整脈、脳梗塞、心筋梗塞等の循環器疾患、夜間突然死との関連も指摘されています。
日中の眠気による交通事故、労働災害、学力低下など極めて重大な社会的問題を引き起こす病気です。
疑いがあるようなら、一度きちんと精密検査を受けることをお勧めます。

∴ くにもと内科循環器科には道内病院では初となる睡眠時無呼吸症候群の検査機器があります。
重さわずか[100g]と軽いだけではなく、最新の機器で従来のような症状の判断を狂わせることも殆どありません。 詳しくはこちらをご覧ください。
2003/室蘭民報/9月号 

[ 17 ] 「低血糖」とは何ですか?
インスリン療法をしている人が急に激しい運動をしたり、インスリンやSU剤の分量を必要以上に増やしすぎたり、また薬を服用してから食事をとるまでに時間がたちすぎたりすると、血糖が下がりすぎて「低血糖」という状態になることがあります。
主な症状は「強い空腹感」「冷や汗」「手足のふるえ」「どきどきする」「めまい」などです。
ひどい場合は、意識を失うこともあります。
軽い低血糖であれば、自分で糖分をとりましょう。
常にスティックシュガーや飴など(人工甘味料はだめ)を持ち歩くようにしましょう。
また、ジュース、缶コーヒーなども有効です。
2003/室蘭民報/10月号 

[ 18 ] インスリン抵抗性とは何ですか?
からだの中でインスリンが働きにくくなった状態です。
インスリンには血中のブドウ糖を筋肉や肝臓などの細胞の中へ取り込ませる働きがあり、これによって血
液中のブドウ糖が減る、つまり血糖が下がるのです。
しかし、インスリン抵抗性があるとインスリンが効きにくくなり、血糖を下げる働きが弱くなります。
インスリン抵抗性の発生原因には、遺伝に加えて過食、運動不足、肥満などの悪い生活習慣が関与しているといわれています。
2003/室蘭民報/11月号 

[ 19 ] 雑誌にあった「糖尿病が治る」という薬を、試したいのですが。
そうしたふれこみで、じつに多くの民間療法が出回っています。
しかし、それらの療法は治療効果の裏付けに乏しく、たとえ効いたとしても、効果は微々たるものです。
しかも高価で、だまされたも同然のものが少なくありません。
本当に効くなら、私たち医者がすでに治療に取り入れているはずです。
これらの民間療法を信じて治療をやめてしまい、症状を悪化させてしまうことがあるのは残念です。
民間療法に惑わされず、糖尿病と仲良く生きる気持ちをもって、本来の治療に専念してください。
2003/室蘭民報/12月号 

[ 20 ] 糖尿病において、お酒やタバコの影響はどうですか?
酒類は、病気の状態によっては飲んではいけない場合がありますので、主治医との相談が必要です。
またお酒の種類によって「日本酒はダメ、焼酎はいい」ということもありません。
酒類はそれ自体が高カロリーです。
適量でやめることが難しかったりつまみを多く食べたりするため、コントロールを悪化させることが多いです。
喫煙は血管を収縮させ,糖尿病に合併しやすい動脈硬化を悪化させますので、禁煙したほうがよいでしょう。
2004/室蘭民報/1月号 

[ 21 ] 太りやすい体質とか、太りにくい体質というのはありますか。
はい、あります。
両親が太っていたとか、子供の頃から太っていたといったような人が太りやすい体質といえます。
そういう人はそうでない人に比べてちょっと多く食べただけでも太りやすいものです。
もう一つ、基礎代謝が低下している場合も太りやすくなってしまいます。
低カロリーの食事を長く続けるとそのようになります。
そうした人でも基礎代謝を上げる運動などで太りにくい体質へと変わることができます。
2004/室蘭民報/2月号 

[ 22 ] 子供の頃から太っているとやせにくいと言われますが本当ですか?
はい。脂肪細胞はいったん増えれば減ることはほとんどありません。
とくに思春期に脂肪細胞が必要以上に増えてしまうと、肥満の大きな原因となります。
この時期に過剰栄養にならないよう注意しましょう。
肥満は脂肪細胞の数と大きさで二つのタイプがあります。
一つは「過形成性肥満」で、子供の頃から太っていた人に多く、もう一つの脂肪細胞が大きい「肥大性肥満」で中年太りに多いです。脂肪細胞の数は減りませんが、大きさは変わりますので、中年太りの方が減量しやすいといえます。
2004/室蘭民報/3月号 

[ 23 ] 痩せたいのですが、脂肪はどのようにすれば減るでしょうか?
脂肪を減らすには食事と運動の両面のコントロールが大切です。
まずは摂取カロリーを制限することが大切です。
また脂肪を摂らなければ脂肪は蓄積しないと誤解している人が多いのですが、糖分であっても摂取したエネルギーが余れば、脂肪として体内に蓄積していきます。 
次に運動ですが、脂肪は運動を始めて20分くらいたつと効率よく燃え始めます。
それには息が少しはずむくらいの、少し早めのウォーキングがおすすめです。
ウォーキングを30分〜1時間、週に1〜2回が適当と言えるでしょう。
2004/室蘭民報/4月号 

[ 24 ] 両親ともに肥満体型です。このままでは私も肥満になりますか?
肥満と遺伝の興味深いデータがあります。
両親とも肥満の場合は約7割の子供は肥満。
片方の親が肥満の場合は4割。
両親ともに非肥満では1割という結果です。
また、別のデータから片方の親が太っている場合、父親が太っているよりも母親が太っている方が、肥満になる確率は高いのです。
子供の生活習慣は圧倒的に母親からの影響を受けやすいと言えます。
つまり、栄養過多の食事を作り、必要以上に食べ運動不足の生活をしていれば、一緒に生活している子供も肥満になる確率が高くなります。
ですから逆に、環境の見直しで肥満を防ぐことも十分にできます。
2004/室蘭民報/5月号 

[ 25 ] 糖尿病の名前の由来を教えてください。
医学用語で糖尿病はDiabetes Mellitusと言います。
ギリシャ語でDiabetes(水が流れる、サイフォン)+ラテン語でMellitus(甘い)=甘い尿が溢れるようにでてくる。という意味です。
日本で糖尿病の病名が定着したのは明治後半です。
「蜜尿病」と言われていたこともありました。
日本では40年前わずか3万人だった患者が、現在は740万人以上と実に250倍近く増えています。
糖や蜜のように甘くはない話だと感じています。
2004/室蘭民報/6月号 

[ 26 ] 痩せるために、基礎代謝量を上げることはできますか?
基礎代謝量は、間違った食生活や運動不足によって下がりますし、反対に軽めの運動を続ければ上げることもできます。
また、極端に食事を減らすと、基礎代謝はかなり下がることが知られています。
それは少ないエネルギーで自分の体を動かす方法を、体が学んでしまう防衛機能からきます。
そうすると、大食しなくても太ってしまうということになります。
また基礎代謝は、20代前半をピークとして年齢と共に徐々に低下していきます。
運動もせずに若い時のままの食生活を続けると、中年太りの原因になります。
特に若い頃、運動を激しくしていた人が中年以降に太りやすいのはこのためです
2004/室蘭民報/7月号 

[ 27 ] 太っていると糖尿病になりやすいのですか?
「肥満」は糖尿病においてはただ体重が重い、という意味ではありません。
体重はそれほど重くなくても、体脂肪が多いと肥満といえます。
一般的には、体脂肪率が男性で25%、女性で30%を超えると肥満とされます。
また、最近は脂肪の率だけでなく、どこに脂肪があるかも重要とされています。
体脂肪は大きく皮下脂肪と内臓脂肪に分けられており、健康に問題があるとされるのは主に内臓脂肪です。
内臓脂肪型の肥満に糖尿病や高血圧が合併しやすいことが知られています。
日本人の糖尿病は欧米人のものと比べ、肥満は軽度なのですが、内臓に脂肪がつきやすく、インスリンの分泌が低下しやすいのが特徴といわれています。
2004/メールマガジン/7月号 

[ 28 ] 糖尿病患者です。旅行時の注意点を教えてください。
糖尿病患者であることを書いたカードを持ち歩きましょう。
カードには使用している薬剤の量と名前、かかっている診療所と主治医の名前も書いておくと安心です。
また、旅行中必ず手元におくバッグを決め、その中に薬剤、血糖測定器一式、低血糖治療用の糖類を入れておきましょう。
航空会社によっては糖尿病食を用意してくれるところもありますので、事前に問い合わせしてみましょう。
靴は履きなれたものを使い、靴擦れ、まめなどに気をつけましょう。
時差のある海外へ旅行するときには薬剤の投与時間の調節が必要な場合もあります。
事前に主治医に旅行日程表を見せ、相談することをお勧めします。
2004/室蘭民報/8月号 

[ 29 ] 老化を防ぐ食品はありますか?
植物油や魚の油などに多く含まれる不飽和脂肪酸は動脈硬化を防ぐ働きがあります。
しかし酸化しやすいという悪い性質もあります。
鉄に酸素が結びついて錆びるようなものです。
酸素とついた脂肪酸を過酸化脂質といいます。
これは動脈硬化や老化を引き起こし、シミやシワを増やします。
では良い解決方法があるのでしょうか。
ビタミンE、ビタミンC、ベータカロチンなどです。
ビタミンEはアーモンドやナッツ類に多く含まれ、植物油にも含まれています。
ビタミンCやベータカロチンは野菜や果物に多く含まれます。
緑茶もポリフェノールという物質が含まれており、酸化を防ぎます。
老化を防ぐためにもこのような食品をとることをお勧めします。
2004/室蘭民報/9月号 

[ 30 ] ストレスも糖尿病の引き金になるのですか?
ストレスがかかると、アドレナリンなどの血糖値を上昇させるホルモンが分泌されます。
これらのホルモンはインスリンの働きを妨げ、その結果さらに血糖値を上昇させます。
また、ストレスが続くと、それを解消するために食べ過ぎたり、飲みすぎたりすることにもつながり、間接的に糖尿病を引き起こすことも考えられます。
ストレスが直接糖尿病を引き起こす訳ではありませんが、ストレスの多い環境が糖尿病の一因になりうるということですね。
2004/室蘭民報/10月号 

[ 31 ] 糖尿病になると、なぜ喉が渇くのですか?
糖尿病の自覚症状には、口渇(喉や口が渇く)、多飲(水をたくさん飲む)、多尿(尿が多い)などがあります。このうち、最初に自覚しやすいのが喉の渇きです。
血糖値がある一定以上に高くなると、腎臓で糖を吸収しきれなくなり、糖が尿と一緒に排泄されるようになります。
このとき、たくさんの水分が必要になり、尿として多量の水分が体外に出ていきます。
その結果、体内の水分が不足するため、喉の渇きを覚えるようになります。
この状態の時は脱水になりやすいので、早急な受診が必要です。
2004/室蘭民報/11月号 

[ 32 ] 糖尿病の人は太っていると思っていたのですが、やせていくこともあるのですか。また、なぜやせるのですか?
太っている人の筋肉や脂肪は、それだけインスリンを必要とするので膵臓に負担がかかります。
膵臓が疲れてくるとインスリンが不足するようになり、ブドウ糖をエネルギーに変えられないために高血糖になります。
この高血糖のまま放置しておくと、余った糖を細胞に取り込むことができず、尿糖として排出されて、今度はやせていきます。
こうなると、食べても食べてもやせていく悪循環に陥ります。
糖尿病になるまで、あるいは糖尿病の初期には太っていても、進行するとこのようにしてやせて行く人が多いのです。
2004/室蘭民報/12月号 

[ 33 ] 血糖が高い状態を放っておくと、失明する場合もあると聞きましたが本当ですか?
血糖値が高い状態を長い間放っておくと、糖尿病網膜症と言って、 網膜(目をカメラにたとえればフィルムにあたるもの)の毛細血管が詰まったり、毛細血管が破れて血液成分が漏出したりします。
そして進行すると、視力が低下し、急に失明してしまう場合もあります。
しかし、糖尿病であることを自覚してしっかり血糖コントロールをすれば、こうした合併症を防いだり、進行を遅らせたりできます。
また、初期のうちなら有効な治療法がありますので、早めに医師に相談して定期的に検査を受けるようにしましょう。
2005/室蘭民報/1月号 

[ 34 ] 糖尿病で足を切断する場合があると聞きました。本当ですか?
血糖値が高い状態が長期間続くと、末梢神経系や自律神経系が損なわれる糖尿病神経障害が起こることがあります。
末梢神経に障害が起きると、手先や足先に痛みやしびれがあらわれ、症状が進むと触覚や痛覚、温覚などの感覚がなくなります。さらに、足の組織が壊疽(えそ)を起こして、足を切断するまでに至ることもあります。
そうならないためにも、しっかり血糖のコントロールをすることが大切なのです。
また日頃から足を良く観察し、手入れするフットケアも同様に必要です。
2005/室蘭民報/2月号 

[ 35 ] 糖尿病の場合、眼底検査はどれくらいの頻度ですればよいのでしょうか?

糖尿病網膜症は、眼底所見によって、1.正常(網膜症なし)2.単純網膜症 3.前増殖網膜症4.増殖網膜症 の4段階に分けられます。
このような眼底の状態によって、検査の頻度も変わってきます。
1の場合や病状が安定している場合には、年1回程度の眼底検査でいいのですが、2の場合や血糖値が安定していない場合、全身治療を開始した1年目は注意深く検査をする必要があるため、年に3〜4回の眼底検査をおすすめします。
そして、さらに病状が進んでいて、3・4の場合には1ヵ月に1回以上の検査が必要になってきます。
この場合は専門施設をご紹介しています。

2005/室蘭民報/3月号 

[ 36 ] 試験紙で測ったら尿糖が陽性と出ました。
     しかし、病院に行って検査したところ血糖値は正常と言われました。なぜですか?

尿糖量は腎臓が調節しています。
多少の個人差がありますが、尿糖が現れるときには、血糖値は160〜180mg/dL以上あるのがふつうです。
しかしお年寄りや妊娠中などは、ときには血糖値が健康な範囲であっても、腎臓が多量の尿糖を排出する場合があります。
このような場合には尿糖が出ても、血糖値が正常であれば心配ありません。
ちなみにこのような状態を腎性糖尿といい、本当の糖尿病とは区別しています。
いずれにしても試験紙で陽性の場合は、受診をお奨めします。

2005/室蘭民報/4月号 

[ 37 ] インスリン注射をしなければならないのは、どんな状態になったときですか?

1型糖尿病(小児型)であれば、はじめから医師の指導のもとインスリン注射による治療を行います。
糖尿病患者の95%を占める2型糖尿病(成人型)では、多くの場合、食事療法と運動療法で血糖コントロールは可能です。
しかし、それでも良い血糖コントロールが得られないときには経口血糖降下薬による治療を行います。
食事療法、運動療法に経口血糖降下薬による薬物療法を加えても、まだ十分なコントロールが得られない場合や、効果がなくなった場合、インスリン注射による治療を行います。
また、妊娠中に食事療法のみでコントロールできない場合や、緊急の手術の場合などにもインスリンによる治療が必要になります。

2005/室蘭民報/5月号 

[ 38 ] 食後の血糖値が高いと言われました。生活習慣を見直したなら、糖尿病にならなくてすむのでしょうか?

食後の血糖値が高い「耐糖能異常」を放っておくと、かなり高い確率で糖尿病に移行することがわかっています。
しかも、この時期すなわち耐糖能異常から本当の糖尿病に移行するような時期にある人では、肥満、高血圧、高脂血症を合併していることが多く、動脈硬化へと進展する確率が高いこともわかっています。
ただし、早くよくない生活習慣を見直せば、食後高血糖は改善することができ、糖尿病にならずにすむのです。よい食習慣と運動の習慣を身につけましょう。

2005/室蘭民報/6月号 

[ 39 ] 空腹時に2〜3倍のインスリン量があると言われました。糖尿病になりにくいということでしょうか?

通常血糖値が上昇すると、インスリンが分泌されその働きで正常値にもどります。
しかし、空腹時に普通の人の2〜3倍も出ているというのは、たくさんのインスリンが出ないと糖を処理出来ないということを意味しています。
つまり「インスリン抵抗性」の状態にあるということです。
また、このような人は、この状態を放っておくと、動脈硬化が加速する原因にもなります。
さらに脂肪が増え過ぎるとインスリン抵抗性がますます増悪し、糖尿病発症の原因となります。
食べる量を減らして体重を落としたり、運動を積極的にしたりすることによって改善しますので、早めに治療を開始する必要があります。

2005/室蘭民報/7月号 

[ 40 ] 食品交換表とはどのようなものですか?

日本糖尿病学会が編集した「糖尿病食事療法のための食品交換表」のことを言います。
この食品交換表は、日常食べている多くの食品を、主としてどんな栄養素が含まれているかによって、6つの食品グループ(6つの表)に分け、それぞれの食品1単位(80キロカロリー)にあたる量をグラムで表示しています。
食品交換表がわかるようになると、適正な量で栄養バランスのよい食事の献立が誰にも手軽につくれるようになります。
ただ食品交換表を使いこなせるようになるには、基本的な糖尿病のしくみを知った上で栄養士からの指導が必要です。
栄養士、または糖尿病療養指導士がいる医療施設で相談するのがよいと思います。

2005/室蘭民報/8月号 

[ 41 ] 最近話題のメタボリックシンドロームって何ですか?

動脈硬化や心筋梗塞などの死を招く疾患を促進させるのが肥満、高脂血症、糖尿病、高血圧といった生活習慣病です。
ごく軽症時のこれらの疾患はおもに早期の段階で、一つ一つの疾病としてはそれほど身体にダメージを与えませんが、肥満でありながら複数併せ持つ状態をメタボリックシンドロームと呼びます。
このメタボリックシンドロームは急速に動脈硬化を進行させることがわかっています。
わが国では1000万人以上の患者がいると推定されています。
このほど日本内科学会を含む8つの学会が診断基準を発表しました。
■診断基準
@ 腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上
A 収縮期の血圧が130mmHg以上かつまたは、拡張期血圧が85mmHg以上
B 空腹時の血糖値が110mg/dl以上
C 中性脂肪が150mg/dl以上かつまたは、HDLコレステロールが40mg/dl未満

以上のうち@に加えて、AからCのうち二つ以上の条件が当てはまる場合メタボリックシンドロームと診断されます。

2005/室蘭民報/9月号 

[ 42 ] カロリーを減らすために食事を1日2回にしてはいけないでしょうか?

1日2回ですと3回に比べて一度に食べる量が多くなってしまい、血糖値が急激に上昇し血糖コントロールが乱れやすくなってしまいます。
血糖値の急激な変化は動脈硬化を進展させると言われています。
一度に適量を摂れば血糖値はあまり高くならず安定します。
1日3食、規則正しく食べたときは、血糖値が安定し、病状も安定するというデータもありますので1日3食を心がけて下さい。

2005/室蘭民報/10月号 

[ 43 ] 糖尿病にはお酒が良くないと聞きました。なぜですか?

アルコールは高カロリーで、その多くは栄養素を含んでいないところが問題です。
日本酒1合はごはん1杯分のカロリーに相当するので、アルコールを飲んだらその分ごはんを控えればいいと考える方がいます。
しかし、ごはんに含まれる糖質やタンパク質、ビタミンなどはアルコールで補うことはできません。
アルコールは食欲を刺激するので、食べすぎてしまい、これが血糖値を上げることになります。
血糖コントロールのできていない人は、禁酒するのが基本です。
一方、コントロールがうまくいっている人は、飲み過ぎない程度にアルコールと上手につきあう方法を知りましょう。

2005/室蘭民報/11月号 

[ 44 ] インフルエンザについて教えてください。

インフルエンザは、インフルエンザウィルスによる感染症で初冬から春にかけて流行し、ウィルスの型はA・B・C型に分けられます。
突然38〜39℃という高熱を発し、頭痛・筋肉痛や鼻汁・咽頭痛・咳・全身倦怠などの症状を呈します。
このようにならないために毎年予防接種を行ないます。
効果が出るまでに2週間ほどかかるため、12月の下旬までに接種することをお奨めします。
また、一生涯保持される免疫ではない為、毎年受ける必要があります。
それでも発症した場合、48時間以内に服用すると非常に効果的な薬剤が発売されていますので、早めに医療機関を受診下さい。安静にして十分睡眠をとり、水分を補給することも大切です。

当院では「インフルエンザの予防接種」を実施しています。料金等はお問い合わせください。

2005/室蘭民報/12月号 

[ 45 ] 糖尿病の患者さんは現在どれくらいいるのですか?

厚生労働省の調査によると、医療機関で治療を受けている糖尿病の患者さんは、国内で約 228万人います(2002年の患者調査)。
ところが実際の患者数は約740万と推定されていて(2002年の糖尿病実態調査)、この数字の差から、糖尿病であることに気付かないでいる人や、気付いていても治療をしないでいる人が、いかに多いかがわかります。
糖尿病は自覚症状が少ないためにこのような状況となっているのですが、治療しないでいると、やがて全身にさまざまな障害を起こすのがこの病気の特徴であり、恐ろしい点です。

2006/室蘭民報/1月号 

[ 46 ] 飲む育毛剤があると聞いたのですが本当ですか?

はい、萬有製薬が2005年10月に厚生労働省から輸入承認を取得し、同年12月から日本初の男性型脱毛症用薬「プロペシア」を発売しました。
これが男性型脱毛症の進行を抑制するための経口薬、飲む育毛剤です。
本来は前立腺肥大や前立腺がんの治療薬として開発された医薬品ですが、副作用として異常発毛をみたことから発毛剤として用途が広がりました。
すでに米食品医薬品局では「飲む育毛剤」として認可されている医薬品です。
プロペシアは医療用医薬品で、購入には医師の診断、処方が必要です。
治療費は保険の対象とはならず、全額自己負担となります。
成人男性が対象となっており、女性は服用できません。詳しくは医療機関にお問い合わせください。

2006/室蘭民報/2月号 

[ 47 ] ペットボトル症候群という言葉を聞きました。どのようなものなのか教えてください。

もともと糖尿病と診断されていなかった人が、糖分を含む清涼飲料水を大量に飲んだために、血糖値が上昇し、糖尿病を発病するケースの事です。
血糖値が上昇し始めると、ますますのどが渇く、だからますます飲む、するとますます血糖値が上昇するため、飲めば飲むほどのどが渇くという悪循環に陥ることが多く、口渇、多飲、多尿、体重減少といった、糖尿病の典型的な急性症状を伴って、かなり急激に糖尿病を発症する場合が多いです。
もちろん、夏場に多いですが、冬に発症した患者さんもいました。

2006/室蘭民報/3月号 

[ 48 ] 糖尿病ではごはんなど糖質が多いものは食べないほうがいいですか?

糖質は、からだにとって欠かせない栄養素です。もちろんとりすぎは厳禁ですが、糖質を制限しすぎるとインスリンの働きが悪くなり、かえって血糖値が上がってしまう場合もあります。
砂糖などは食後急激に血糖値を上昇させてしまいますが、主食になるごはんやパンやめん類などに含まれるでんぷんは、消化に時間がかかるので、血糖値がゆるやかに上昇し安定しやすくなります。
また、これらの穀類には、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維も含まれています。
適量をきちんと食べましょう。

2006/室蘭民報/4月号 

[ 49 ] 一度インスリン注射を始めたら一生止められないのですか?

血糖値が高いと、それ自体がさらにインスリン分泌を低下させたり、筋肉や脂肪細胞でのインスリンの働きが悪くなったりと悪循環が起きます。
この状態を糖毒性と言います。
インスリン治療によってその状態を改善させると、高血糖の改善の好循環が始まって、インスリン療法が不要になることが少なくありません。
このようにインスリンを一時的に使用する治療法もあります。ですから一度インスリンを始めたら、止められないという訳ではありません。

2006/室蘭民報/5月号 

[ 50 ] 「低インスリン食」「グリセミック・インデックス」とはどういうものですか?

低インスリン食とは、食後の糖分吸収をおだやかにしてインスリン分泌をあまり刺激しない食事のことです。
具体的にいうと、食物繊維を多く含んでいたり、炭水化物が少なくたんぱく質や脂質が多い食品・献立です。
グリセミック・インデックス(GI)とは、ある食品を一定量食べたあとに血糖値がどれくらい高くなるかを示す指標のことです。
GI値が低い食事が低インスリン食にあたります。
こうした食事はダイエットや糖尿病治療に役立つこともありますが、食事療法の基本を理解したうえで取り入れないと、栄養がかたよったり体重が増えたりしてしまいます。

2006/室蘭民報/6月号 

[ 51 ] 食後の血糖値が高い「耐糖能異常」と言われました。生活習慣を見直したら、糖尿病にならなくてすむのでしょうか?

食後の血糖値が高い「耐糖能異常」を放っておくと、かなり高い確率で糖尿病に移行することがわかっています。
しかも、この時期すなわち耐糖能異常から本当の糖尿病に移行するような時期にある人では、肥満、高血圧、高脂血症を合併していることが多く、動脈硬化へと進展する確率が高いこともわかっています。
ただし、早くよくない生活習慣を見直せば、食後高血糖は改善することができ、糖尿病にならずにすむのです。
よい食習慣と運動の習慣を身につけましょう。

2006/室蘭民報/7月号 

[ 52 ] 糖尿病性神経障害のことを教えて下さい

糖尿病の神経障害は、主に末梢神経が侵され、全身に及びます。
早期にあらわれる症状は、こむらがえりが起こりやすくなったり、手足の先がしびれたり、針で刺されたように痛んだり、足の裏に違和感があったりします。
軽いうちは血糖をコントロールするだけでほとんどがよくなり、神経障害の進行を防ぐことができます。
神経障害が進んだ場合は、薬物治療が必要です。
血糖値を高いままにしておくと自律神経にも障害が起こります。
その場合、発汗異常、立ちくらみ、便通異常、膀胱障害、勃起障害などの症状があらわれます。

2006/室蘭民報/8月号 

[ 53 ] 太るとなぜ糖尿病に良くないのでしょうか?

血糖が上がる原因としてインスリンの分泌力が低下することと、筋肉などの組織でインスリンの感受性が低下することの、二つがあります。
太ると脂肪の量が増え、インスリンの感受性が低下するのでさらに糖尿病が悪化します。
最近、インスリンの分泌や効き目を改善するクスリも出てきていますが、そうした薬に頼るよりもインスリンの感受性を増すために、まず食事量を減らし標準体重にすることが大切です。
太ると糖尿病を悪化させるだけではなく動脈硬化や高血圧などの生活習慣病も合併しやすくなります。

2006/室蘭民報/9月号 

[ 54 ] ストレスが糖尿病に与える影響は?

ストレスは過食、運動不足とともに糖尿病の3大原因の一つです。
そればかりか病状を悪化させる大きな要因でもあります。
怒ったり興奮したり時間に追われてイライラするとカテコールアミンが大量に分泌されるので、インスリンの分泌や感受性が低下し血糖値が上がります。
そのため、毎日の生活からストレスを減らす工夫が治療上も非常に大切です。
みなさんのライフスタイルにあった方法で、解消に努めてください。

2006/室蘭民報/10月号(1) 

[ 56 ] 糖尿病で運動療法をしてはいけない時はどんな時ですか?

運動療法に制限があるのは、合併症があって、しかも進行している場合です。
軽い合併症があっても、歩行など中程度の強さの運動であればまず問題はありませんが、走る、泳ぐといった強い運動はかえって病状を悪化させます。
腎症、増殖性網膜症、狭心症、眼底出血、下肢の動脈硬化による動脈の閉塞などがある場合、禁止か制限があります。
合併症の程度や年齢などの違いもあるので、状態に応じた運動を主治医に処方してもらい、その範囲で運動することをお薦めします。

2006/室蘭民報/11月号(1) 

[ 56 ] インスリン注射を打ち忘れました。どうすればいいでしょうか?

インスリンを打ち忘れた場合に大切なのは、量を打ちすぎないことです。
経口剤に比べてインスリンは効き目が早く、時間単位で効いてくるからです。
打ち忘れに気付いたら、まず落ち着いて血糖値を測り、その状態にあった量を注射するのが原則です。
量の加減は個人差もあるので主治医と相談してある程度の目安を事前に決めておきましょう。

2006/室蘭民報/11月号(2) 

[ 57 ] インフルエンザについて教えてください。

インフルエンザは、インフルエンザウィルスによる感染症で初冬から春にかけて流行し、ウィルスの型はA・B・C型に分けられます。
突然38〜39℃という高熱を発し、頭痛・筋肉痛や鼻汁・咽頭痛・咳・全身倦怠などの症状を呈します。
このようにならないために毎年予防接種を行ないます。
効果が出るまでに2週間ほどかかるため、12月の下旬までに接種することをお奨めします。
また、一生涯保持される免疫ではない為、毎年受ける必要があります。
それでも発症した場合、48時間以内に服用すると非常に効果的な薬剤が発売されていますので、早めに医療機関を受診下さい。安静にして十分睡眠をとり、水分を補給することも大切です。

2006/室蘭民報/12月号 

[ 58 ] 糖尿病の薬を飲んでいますが他の薬の飲み合わせが心配です。

薬物療法の人が、他の病気の治療で薬を飲まなければならない場合、通常の風邪薬や下痢止めなどの市販薬の場合はほとんど心配ありません。
しかし鎮痛剤の一部で血糖降下作用を増強するものもあるので注意が必要です。
複数の医師にかかる場合には、それぞれの医師に使用中の薬剤を知らせる必要があります。
数ある薬の中には低血糖の症状をわかりにくくするなど、副作用をもたらす場合があります。
またステロイド剤などは血糖を上昇させるので、必ず血糖測定しながら経口剤やインスリン量を決める必要があります。

2007/室蘭民報/1月号 

[ 59 ] インスリン注射を打ち忘れました。どうすればいいでしょうか?

インスリンを打ち忘れた場合に大切なのは、量を打ちすぎないことです。
経口剤に比べてインスリンは効き目が早く、時間単位で効いてくるからです。
打ち忘れに気付いたら、まず落ち着いて血糖値を測り、その状態にあった量を注射するのが原則です。
量の加減は個人差もあるので主治医と相談してある程度の目安を事前に決めておきましょう。

2007/室蘭民報/1月号 

[ 60 ] 糖尿病の誘引は何ですか?

糖尿病は加齢のほか日常の生活習慣が誘引となって発病するため「生活習慣病」といわれています。 そして、糖尿病の患者は年々増え続けています。
その理由は、現代社会そのものが糖尿病を生みやすい構造にあるからです。
食べすぎ、運動不足、ストレス、アルコールの飲みすぎなど、どれをとっても現在増え続けている事柄で、外食産業の隆盛や自動車社会の繁栄、肥満の増加、ストレス社会など糖尿病を招きやすい条件は沢山そろっています。また、これらの生活習慣に関わる誘引とともに遺伝的な素因も深く関係しているため親戚に糖尿病の人がいる場合にはとくに注意が必要です。

2007/室蘭民報/2月号(1) 

[ 61 ] 糖尿病で血糖値が上がる仕組みを教えてください。

インスリンは膵臓で作り出されるホルモンで、細胞が血液の中からブドウ糖を取り込んでエネルギーとして利用するのを助ける働きをしています。
インスリンの作用が不足すると、ブドウ糖を利用できなくなり、血液中のブドウ糖濃度「血糖値」が高くなります。これを高血糖といい、この状態が継続するのが糖尿病です。
インスリンの作用不足には、膵臓のインスリンを作り出す(インスリン分泌)能力が低下してしまうことと、インスリンに対する細胞の感受性が悪くなることのふたつの原因があります。

2007/室蘭民報/2月号(2) 

[ 62 ] 炭水化物をエネルギーとして利用する仕組みを教えて下さい。

私達は食べ物を消化、吸収することで生命を維持し活動するためのエネルギーを得ています。
エネルギー源として最もよく使われるのが炭水化物です。
炭水化物は消化吸収され、ブドウ糖となって肝臓へ送られます。
そのうちの一部は脳や筋肉で利用され、残りのブドウ糖は肝臓内にグリコーゲンとして蓄えられます(さらに余った分は脂肪になります)。
身体活動で血液中のブドウ糖を消費するとグリコーゲンが分解されて再びブドウ糖となって血液中に放出されます。
このようにして活動のためのエネルギーが常に維持され、血糖値は一定の範囲内の変動に収まっているのです。

2007/室蘭民報/3月号(1) 

[ 63 ] 尿に糖が出ていると糖尿病なのですか?

糖尿病という名前から、尿に糖が出ているのを糖尿病だと思い込んでいる人がいますが、これは間違いです。
糖尿病でも尿糖が出ない場合もあり、尿糖が出ていても糖尿病ではないこともあります。
糖尿病の診断はあくまで血糖値を中心に考えられます。
だからといって尿糖を測る意味がないわけではありません。
血糖値を知る機会がなくても、簡単に自分でチェックできるという意味では尿糖検査は大切です。
自分は大丈夫だと思っている人は大食した1.2時間後に尿糖を調べてみてください。
反応があるなら要注意です。正常ならば食後といえども尿糖は出ません。

2007/室蘭民報/3月号(2) 

[ 64 ] 薬を使い始めると糖尿病は重症なのですか?

糖尿病の場合他の病気と違って、一口に重症と軽症とかいうことはできません。
一般には合併症を持つ患者さんほど重症度が高いと考えられます。
薬物療法をしているからという理由だけでは重症とはいえません。
飲み薬を飲んだりインスリンを打ったりしていても、血糖値のコントロールが良く、合併症がないのであれば重症だと考える必要はありません。

2007/室蘭民報/4月号(1) 

[ 65 ] ブドウ糖負荷試験について教えて下さい

75グラムのブドウ糖を飲み、時間を追いながら血糖を調べる検査です。
血糖値の変動から糖尿病なのか、正常値なのか、あるいはその境界型なのか、パターンが示されます。
境界型の人は今は大丈夫でも糖尿病を発病する可能性が高いので、定期的に検査を受けるようにしましょう。
また、糖尿病の人は動脈硬化を起こしやすいのですが、境界型の人や正常型でも1時間値が180mg/dl以上だと、やはり動脈硬化の危険性が高いので注意が必要です。

2007/室蘭民報/4月号(1) 

[ 66 ] 低血糖になりやすいのはどんな時ですか?

低血糖は薬や注射で補ったインスリンの量が体のインスリン必要量を上回った時に起こります。
具体的には食事の間隔を開けすぎた時、食事の量が少なかった時、いつもより体を動かした時、朝食前に運動した時、飲み薬やインスリンの量を間違えた時、飲み薬の働きを強める薬を併用した時、インスリンの注射をした直後に運動した時などです。
またシックディで血糖値の変動が大きくなりがちな日も、低血糖を起こることがあります。

2007/室蘭民報/5月号 

[ 67 ] 低血糖にならないようにするにはどうすればいいのでしょうか?

それは体のインスリンの必要量と薬や注射で補うインスリンの量のバランスを崩さないことです。
そのため、できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。
決まった時間に指示カロリー通りに食べ、指示時刻に薬を正しく飲み、一定の運動をしていれば、インスリン量のバランスが崩れることも少ないはずです。
早朝や空腹時の運動は避けるべきです。
また食事の間隔があくときは、通常の食事に軽く1単位程度の炭水化物をとっておき、次の食事でその分を減らすなどの工夫をしましょう。

2007/室蘭民報/6月号 

[ 68 ] 外食する際の注意点を教えて下さい。

外食で注意しなくてはいけないのは、味付けが濃く油や砂糖がたくさん使われていることです。
和食では砂糖や味醂の量、洋食では肉の脂と料理に使われているバターや生クリーム、ソースなどに気をつけてください。
中華料理は油がたっぷり使われています。
食材自体が油で下処理されていますし、かかっている餡の量も大変なものです。
油が多い外食メニューの場合、揚げ物の衣を外したりソースやスープを残すなどの工夫が必要です。

2007/室蘭民報/7月号 

[ 69 ] 外食の際のコツを教えて下さい。

上手な残し方が上手な食べ方です。
料理が運ばれてきたらまず目安量で自分が食べるのはどのくらいか判断します。
例えば一日1600kcalの人で昼食が560kcalの人は目安をつけ、おかずやごはんでオーバーする分を食べる前に器の端によけておき、手をつけないようにします。
魚料理など食材の形がそのまま残っているものは目安量を掴みやすいので外食初心者にはお薦めです。
また、よける量がほんの少しの場合も「ちょっとぐらいは」と食べずに必ず残すようにしましょう。
この場合お店の人に一言断るといいでしょう。

2007/室蘭民報/8月号 

[ 70 ] なぜ風邪や病気になると血糖値が悪化するのですか?

病気になると血糖値をあげるアドレナリンなどのストレスホルモンやサイトカインが分泌されます。
糖尿病でない人は、その分泌に合わせてインスリンも多く分泌されますが、糖尿病の人はインスリンの追加分泌ができないため、血糖値がいつもより上昇します。
病気の程度により差がありますが、一般に血糖値は30%は上昇するといわれています。

2007/室蘭民報/9月号 

[ 71 ] 糖尿病があると尿路感染症になりやすいのですか?

はい。糖尿病の三大合併症のひとつの神経障害がある人では、尿路感染所になる危険がより高くなります。
健康な人では排尿後、膀胱は一旦空になります。
しかし、自律神経が冒されていると、尿意をなかなか催さなかったり、排尿時に膀胱が十分に収縮しないため、膀胱内に常に尿が残った状態になります。
このため、膀胱炎などの尿路感染症になりやすいのです。

2007/室蘭民報/10月号 

[ 72 ] 糖尿病性腎症における食事の注意点を教えてください。

一番大切なことはタンパク質を制限することです。
体内の余分なタンパク質は尿素などの老廃物となり、腎臓でろ過されて尿中に排泄されます。
腎臓の機能が低下している人がタンパク質をとりすぎると腎臓の負担が大きくなり、そのことが腎症の進行を早めてしまいます。
タンパク質に加えて、塩分とカリウムの制限も必要です。

2007/室蘭民報/11月号 

[ 73 ] 病院で血圧を測ると家で測るよりも高くなるのはなぜですか?

「白衣性高血圧」が疑われます。
家庭ではそれほど血圧が高くなくても、病院に行き医師や看護師の姿を見ると緊張して血圧が上がる現象です。
病院と家庭で測る血圧の差が大きいケースでは、ストレスに敏感で環境に左右されやすく普段の生活でも血圧が高くなる場面が多くなると考えられ、その点を考慮しながら治療を進める必要があります。

2007/室蘭民報/12月号 

[ 74 ] 糖尿病で虫歯や歯周病がおきやすいのは何故ですか?

色々な原因が考えられますが、まず糖尿病では血流が悪くなります。
また、特に1型で白血球機能が低下します。
さらに唾液や歯と歯肉の間からの浸出液中の糖分が高くなり、唾液が減り口の中が乾燥しやすくなります。
これらは虫歯や歯周病を起こす細菌を繁殖しやすい環境を作り出します。
また歯周組織を修復するコラーゲン代謝機能に異常が起き、歯周病が進行しやすくなります。

2008/室蘭民報/1月号 

[ 75 ] 糖尿病は自己管理が大切な病気と聞きますが、高血圧も同じですか?

はい。糖尿病の三大合併症のひとつの神経障害がある人では、尿路感染所になる危険がより高くなります。
健康な人では排尿後、膀胱は一旦空になります。
しかし、自律神経が冒されていると、尿意をなかなか催さなかったり、排尿時に膀胱が十分に収縮しないため、膀胱内に常に尿が残った状態になります。
このため、膀胱炎などの尿路感染症になりやすいのです。

2007/室蘭民報/2月号 

[ 76 ] インスリン治療中です。食事療法で気をつけることは何でしょうか?

インスリンは種類によって血糖値の下がり方が多様ですから、注射をしたら指示された時間に食事をとってください。
いつも決まった時間に低血糖が起こるときには、医師に相談して分食するのもよいでしょう。
夜中に低血糖が起こる場合は就寝前にクラッカー(炭水化物)2〜3枚とチーズ(タンパク質)を少々とり予防します。
いつもより多く運動するときは運動前の食事を1〜1.5単位多くして低血糖を予防します。

2007/室蘭民報/3月号 

[ 77 ] 糖尿病の場合、アルコールは飲んではいけないのですか?

アルコールを飲む場合で一番問題なのはつい限度を超えて飲みすぎ、血糖のコントロールを乱すことです。
また、アルコールを飲んだ分食事を減らしたりすると、不健康に痩せてくる場合もあります。
2単位(例えば日本酒1合)を守れる意思の強さがあり、コントロールも安定していれば1合程度は許される場合もありますので主治医、もしくは栄養士と相談することが大切です。

2008/室蘭民報/4月号 

[ 78 ] 糖尿病と痛風は併発しやすいのですか?

痛風(高尿酸血症)は遺伝的に尿酸値が高くなりやすい体質があり、それに様々な生活習慣が加わることで発病します。
尿酸値が上がりやすい生活習慣とは、過食やアルコールの飲みすぎ、運動不足、それによる肥満、精神的ストレスなどです。
これらは糖尿病を招く習慣と同じような内容です。
事実、糖尿病の人は尿酸値が高い人が多く、また高尿酸血症の人は糖尿病や耐糖能障害になりやすいのです。
逆に言えば高尿酸血症を治療することは糖尿病の予防、治療に繋がりますし、糖尿病の食事、運動療法は尿酸値にも良い影響を与えます。

2007/室蘭民報/5月号 

[ 79 ] 肥満を予防する食事方法を教えてください。?

まずは満腹になるほど食べないことです。
食事回数が少ないほど太る傾向があるので、どか食い、まとめ食いはよくありません。
一日3回決まった時間に食事を摂取した方が良いです。
また摂取エネルギーが使われず脂肪として蓄積されるので、就寝前の食事もよくありません。
脂は量に対してカロリーが多いので控えめにしてください。
逆にカロリーの少ない、こんにゃくや海藻、きのこを沢山摂取しましょう。
一日一回体重測定し増えたら食事を見直すことも大切です。

2008/室蘭民報/6月号 

[ 80 ] 糖尿病ではうつが多いのですか?

はい。糖尿病以外の病気でうつの併発は約1割と言われていますが、糖尿病の人の2〜3割はうつを併発していると考えられています。
眠れない、食欲が無い、特に午前中気力がわかない、イライラしやすい、頭痛や下痢、便秘が続くなどがその症状です。
その場合は一度主治医に相談した方が良いでしょう。

2008/室蘭民報/7月号 

[ 81 ] 糖尿病に気がつかない人はどれくらいいるのですか?

厚生労働省の調査によると医療機関で治療を受けている糖尿病の患者さんは国内で約247万人います(2005年の患者調査)。
ところが実際の患者数は約740万人と推定されていて(2002年の糖尿病実態調査)、この数字の差(約500万人)から、糖尿病であることに気がつかないでいる人や気づいていても治療しないでいる人がいかに多いかがわかります。

2008/室蘭民報/8月号 

[ 82 ] 糖尿病の本や雑誌によくインスリンとでてきますが何のことですか?

胃の後ろにある「すい臓」という臓器でつくられる、体の中で唯一、血糖を下げる働きをもつホルモンです。
すい臓の中でインスリンを作っている細胞は「ランゲルハンス島のβ細胞」です。
β細胞の働きが悪くなったり、何らかの理由でβ細胞が壊れてしまったりするとインスリンは減少したり、全く作られなくなったりします。
すると血糖値が下がらなくなり、糖尿病になります。
また、インスリンが十分にある場合でも「インスリン抵抗性」があると、インスリンが十分働くことが出来なくなり、やはり血糖値が上がって糖尿病になります。

2008/室蘭民報/9月号 

[ 83 ] 糖尿病とは医学的にどのような状態ですか?

食事をした後、腸から吸収されたブドウ糖は血液中から脳や筋肉などの細胞へ入り、私たちが活動するのに必要なエネルギー源となります。
細胞内にブドウ糖を取り込むのに必要なホルモンが「インスリン」です。
このインスリンの働きが悪くなったり(「インスリン抵抗性」といいます)、体内で作られなくなったり、作られても量が少なかったりして細胞内にブドウ糖をうまく取り込めなくなると、ブドウ糖は血液中にとどまり、血糖値(血液中のブドウ糖の量)が高くなってきます。
血糖値が高い状態を「高血糖」といい、これが糖尿病の状態です。

2008 

 
 
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